SAT と ACT は、アメリカの大学受験におけるセンター試験のような共通試験(standardized test)であり、それぞれ College Board(SAT)、ACT(ACT)という別々の団体が年に数回試験を実施しています。ほとんどの大学がどちらのテストスコアを提出しても良いとしていますが、近年はテストスコア自体を出さなくてもよいという Test-optional の傾向が広まりつつあります。
カリフォルニア大学の決定が持つ影響
UC Berkeley や UCLA などカルフォルニア州の公立10大学が参加するカリフォルニア大学システム(UC System)の理事会が、カリフォルニア州内の生徒の受験に関して SAT と ACT を義務付けることを5年後には完全廃止するとのことを5月21日に決定しました。
29万人の学生を擁する UC System が SAT と ACT を選択制にする「Test-optional」期間を経て将来的に義務付けないと決定したことは、全米の大学受験の SAT と ACT の利用に大きな影響を与えるものと思われます。UC System の英語の公式発表はこちら。
概要は以下の通りです。
文中の “Class of 20xx” は、20xx年5月または6月に高校を卒業し、同年の9月に大学に入学する学年を表しています。
Test-optional
COVID-19の特別措置として全受験生を対象に Test Optional(SAT/ACTのテストスコアを提出してもしなくても良い)と決定済みであったが、これをさらにもう一学年延長する。テストスコアを提出した場合、それを合否の検討材料とするかどうかは大学側に選択権がある。テストスコアを提出しない選択をした場合の代替要件は追って発表される。
Test-blind
In-State(カリフォルニア州在住の)受験生については、SAT/ACTを合否の判断材料としないが、入学後の専攻やスカラシップの授与などに関しては利用する。
※プレスリリースには Class of 2023 と Class of 2024の Out of State(カリフォルニア州在住でない)について明言していないので、現時点では、Test Optional の継続になる可能性が高いと思われます。
New standardized test
大学が求めているレベルの準備ができていることを正しく示すことができる新たな共通テストにどれを選択するか、または新たなテストを作成するかについては、2020年夏以降、2021年1月までに方針を決定する。
Elimination of the ACT/SAT test requirement
Class of 2025(現7年生)以降
カルフォルニア州在住の生徒については、2025年秋入学のための受験から SAT/ACT のスコアはいかなる目的においても大学は活用しないものとし、新テストのスコア提出を出願の必須要件とする。もしも条件を満たす新テストが2025年用の受験に準備できなかった場合においても、SAT/ACT の完全撤廃は変わらないものとする。ただし、Out of State(カリフォルニア州在住でない)および海外からの受験生への対応は委員会を設置して検討する。
Elimination of writing test
SAT Essay/ACT Writing Test は、2021年秋の入学用受験(Class of 2021)の出願要件から除外し、合否判定の対象にしない。
SAT Essay/ACT Writing Test とは、通常のテストに追加料金を払って申し込むオプションの writing テストを指します。
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