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第49回 熱波での植物のメンテナンス

熱波での植物のメンテナンス

葉が茶色に変色

執筆者:真知子・フォート
2010年にワシントン州立大学のエクステンション・プログラムでマスターガーデナーの資格を取得して以来、コミュニティ・ガーデンや園芸相談、コミュニティガーデンの世話などボランティア活動を続けています。自宅のスタジオではイケバナ教室を開講中。初級クラスはオンラインでも受講できます。お問い合わせは machikofa@gmail.com まで。

草月指導者連盟会員、草月シアトル支部ボードメンバー、インターナショナルイケバナシアトル支部ボードメンバー

植木鉢のシダレヤナギのヒート・ストレス

当地に住んで21年、この6月末の週末の猛暑は初体験、驚きました! 

我が家はピージェット湾に近いお陰で、海風が吹いて涼しく、シアトルに比べると気温は10℉は低く、これまでは冷房なしで問題ありませんでした。でも、今回の熱波でシアトルの気温が観測史上最高の108℉(42℃)となった6月28日は、こちらも暑くなり、冷房が必要かと思ったものの遅かりし!熱は上へ上と上昇、生活の場である2階と3階は、夜になっても温度が下がらない状態になりました。

幸い、1階は涼しく、猛暑の3日間は1階で過ごして大丈夫だったものの、これから温暖化が進むとすれば、備えあれば憂いなし。冷房を買わねばと考えています。

ところで、植物がよく育つ温度は59℉~86℉(15℃~30℃)で、90℉(32℃)を超えるとストレスになって、成長がスローダウンします。

我が家の庭でも、植えてまだ根がしっかりついていない1年から2年ほどの若い木、また、根のはりが浅い多年草や宿根草、一年草(夏野菜や百日草、マリーゴールドなど)が弱く、ヒートストレスでぐったりと垂れたり、葉が茶色に変色したり、乾燥して枯れたりし、あわてふためいて手当てしました。

1. 鉢植えの小ぶりのしだれ柳の葉がかなり茶色に変色。よく観察すると、緑の葉が少々あり、大丈夫と判断。水をたっぷりと頻繁に与え、直射日光の場所から、柔らかい日光の半日蔭の場所に移すと、一ケ月ほどで、ほとんど緑の葉になり回復。夏場の鉢植えは地植えより乾きが早く、朝晩2回の水やりは欠かせない。

2. 地植えで、直射日光にあえぎ苦しんでいる植物を見つけたら、風通しのよい、涼しい半日蔭に移してもよし。大きい穴を掘ってコンポストを混ぜ、たっぷりと水を注いでから植えて、さらに水をやり、2~3インチ(約5~7.6cm)の厚さにウッドチップなどのマルチングをしいて湿気を保つようにすることが大切。マルチングは雑草除けになり、また、湿気や栄養を雑草に奪われないので、一石二鳥。しばらくは日々状況を観察すること。朝一回の水やりは欠かせない。

3. 暑さで弱っている植物に強度の剪定を課すと、さらに弱って病気になったり害虫が出たりと悪化するため、絶対にしないこと。全体が茶色に変色してしまったものは引き抜くしかなし。

4. また、暑さに弱っている植物に肥料を与えると受け入れられず、さらに悪化してしまう。元気になってから、涼しくなった秋にゆっくり効いて安心な有機肥料を与えるとよい。

5. 日光が一日中あたるのを好む植物でも、真夏の暑い日の植え込みは極力ひかえる。植物にとって、夏の強過ぎる直射日光はかなりのストレスで、枯れ上がってしまうかも。それに、日々の観察と世話が絶対に欠かせず手がかかる。涼しくなった秋に植え込み、たっぷり水をやってマルチングすれば、後は自然の恵みである雨が世話をしてくれるので楽になる。春には必ず新芽が出る!植える際、その場所がその植物の生態の条件に合っているか、植え込む植物のレベルを確認し、インターネットでよく確かめること。半日蔭を好む植物を直射日光の場所に植えたら、熱波で枯れてしまう。また、種まきも控えること。

夏の楽しみは夏野菜を育てること

6. 夏の楽しみは夏野菜を育てること。どこの店にも売っていない美味しいトマトやキュウリなどを食べる喜びがあるので、手がかかるけどやめらない!夏野菜は、毎日の水やりは絶対に欠かせないので、朝の涼しい時にやること。さらに、2~3インチ(約5~7.6cm)の藁などのマルチングで湿気を保つようにし、コンポストを混ぜてオーガニックマターにすると水持ちもよく、雑草除けにも効果あり。今年もトマト、キュウリ、ズキニー、スクウォッシュ、ベルペッパーなど、どんどん収穫して日々の食卓へ。初め育てたカリフラワーは、簡単に育てられて美味しいのでお薦め!

初め育てたカリフラワー

7. 夏場のガーデニングは朝の涼しいうちにやると快適。ガーデン手袋、帽子、サンスクリーン、水ボトル、サングラスは欠かせず。また、薄手の通気性のあるコットンの長袖ブラウスと同じく薄手の長いパンツが、強い日光や虫から守ってくれる。ガーデン手袋の下に、薄いゴムの手袋をつけると、爪に土が入らないが、あまり暑い日は手にたくさん汗をかくことになる。もう一つ、ガーデニングエプロンをして、ガーデンばさみを忍ばせておくと、水やりをしながら、枯れて終わった花のデッドヘッドができ重宝。木陰に入ると涼しいので、ちょっと休みながらやると無理がない。

オレゴン州立大学の Oregon State University Extension Service Horticulture の公式サイトにある 『Get your gardening questions answered』 には良いアドバイスがいろいろとあるので参考にし、ガーデンニングを安全に楽しんでください。

暑さに気をつけて、Happy Gardening!

掲載:2021年8月

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