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第34回 シアトルの初春 アメリカンロビン

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初春をイメージして創作したテーブル花

初春をイメージして創作したテーブル花

真知子・フォートさん

執筆者:真知子・フォート
2010年にワシントン州立大学のエクステンション・プログラムでマスターガーデナーの資格を取得して以来、コミュニティ・ガーデンや園芸相談、コミュニティガーデンの世話などボランティア活動を続けています。自宅のスタジオではイケバナ教室を開講中。初級クラスはオンラインでも受講できます。お問い合わせは machikofa@gmail.com まで。

草月指導者連盟会員、草月シアトル支部ボードメンバー、インターナショナルイケバナシアトル支部ボードメンバー

「毎冬12月~1月は骨にしみるほど寒いのに、この冬は暖かい」と、庭に出て雑草を取り、肥料をやり、木々の剪定などやり始めて楽しいイノシシ年のスタートを切りました。上の写真はその時に初春をイメージして創作したテーブル花。室内が春の喜びであふれました!

インターナショナル・イケバナ展

インターナショナル・イケバナ展
Northwest Flower & Garden Festival にて

ところが、恒例の NFL スーパーボウルが開催された2月3日からいきなり気温が摂氏0度以下に。雪が降り、止み、凍る、の繰り返しが2週間程続き、高速道路以外の道路は大雪が積もり凍結して大わらわ。市民の暮らしに大いに影響を及ぼしました。また、植物たちの上にも雪が重くのしかかったり、「皆、無事にこの厳しい冬を越して、美しい花々を咲かせてくれるのだろうか?」と、ちょっと心配に。

2週間ほどでやっと雪が止み、徐々に雪が融けて安心したのですが、今度は毎朝摂氏0度以下で霜続き。昼間になると気温が少々上がってくるものの、春はまだまだのよう。雪が心配された恒例のシアトル初春イベント『Northwest Flower & Garden Festival』はまずまずの天候で、インターナショナル・イケバナ展に私の作品も展示できて安心しました。会場はいつも通り、一足早い春一杯。楽しくて、元気をもらいました! 

アメリカンロビン

アメリカンロビンのメス

桃の節句の前日は、ポカポカと気持良い晴天日。庭に出てみると、毎年、初春に戻ってくるアメリカンロビン(American Robin)がミミズを探していて、「お帰り」と声をかけました。アメリカンロビンは、初春に広大なアメリカ本土をフロリダから北に縦断するのもいれば、年中同じ場所で過ごすのもいます。雄は、ミミズ、虫、実もの、果物などが豊富で、バードバス(birdbath)などがあって水回りが良い庭園などの巣作りに適した場所を見つけます。暖かくなってくると、雌が気に入った雄を見つけ、巣作りに入ります。

アメリカンロビン

アメリカンロビンの雛

巣作りは雌の役目で、集めてきた枯草や泥で安全な場所に作ります。我が家の玄関は高い屋根に覆れていて、高い位置に玄関灯があるのですが、その上にこのアメリカンロビンの巣があり、もう何年も毎春ここで出産、子育て、巣立ちという、アメリカンロビンのライフサイクルが繰り返されています。我が家の庭は化学物質の肥料や殺虫剤など使わず、自然の理に従っているので、害虫を食べてくれる野生動物や良い虫たちの自然環境保護を守ることができ、嬉しく思います。皆さんも出来る限り、自然環境保護のため有機栽培を心がけてください。毎春にアメリカンロビンやさまざまな自然界の生き物が訪ねてきてくれる、健康な庭になりますよ!

トライカラークロッカス

トライカラー・クロッカス

雄のアメリカンロビンを見つけて心和んだ後、玄関前の小道側の庭に目をやると、なんと、厳しい冬もなんのその、トライカラー・クロッカス(Tricolor Crocus, Winner of the Award of Garden Merit from the Royal Horticultural Society))が朗らかに可愛い花を咲かせていました!このクロッカスは賞を貰っている種で、年々自然化し、広がっていくのが特徴。2016年に購入以来、本当に毎春広がっています。他には、スノードロップ、プリムラ、原生種のシクラメンたちも花を咲かせていました。なんと強い子たちなのでしょう!私たちもこの長引く冬を元気に乗り越えましょう! 

Happy Gardening!

掲載:2019年3月



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