執筆者:真知子・フォート
2010年にワシントン州立大学のエクステンション・プログラムでマスターガーデナーの資格を取得して以来、コミュニティ・ガーデンや園芸相談、コミュニティガーデンの世話などボランティア活動を続けています。自宅のスタジオではイケバナ教室を開講中。初級クラスはオンラインでも受講できます。お問い合わせは machikofa@gmail.com まで。
草月指導者連盟会員、草月シアトル支部ボードメンバー、インターナショナルイケバナシアトル支部ボードメンバー
あっという間に春もたけなわ、ワシントン州の象徴の花、色とりどりの美しい石楠花(シャクナゲ:Rhododendron)がほとんど終わり、もう6月。石楠花の後は、シャクヤク、草系(Peony)と牡丹、木系(Woody Peony)、アヤメ(Iris)、カラリリー(Calla Lily)などが咲き始めました!
一年中楽しめる庭(All year round garden)を構成している我が家ですが、特に春から夏にかけての季節は植物の成長が著しく、次から次へと新しい花々が顔を出して嬉しく楽しく、その生命力の強さに感動する時でもあります!(雑草の勢いもすごいですが)
この4月下旬も恒例のシアトル・センターでの桜祭りに、イケバナ・インターナショナルの展示のお世話と自分の展示もあり慌しくしましたが、無事に終わりホッとしました。その後は、草月流家元によるワークショップ及びデモンストレーションとパーフォーマンスショーのためホノルルへ。アメリカ、カナダ、日本から約360名の会員が集まった盛大なイベントで、家元による生け花はさすがにすばらしく、行ったかいがありました。また、自由時間でも、ホノルル在住の在米日本人の同人文芸誌ライター達との昼食、我が母校の先輩後輩とのハッピーアワー、草月フレンド宅での夕食と大いに楽しみ、特別な母の日となりました。
そして、イケバナ・インターナショナルのシアトル支部60周年記念の準備に追われた週が終わり、先週末に行われた祝賀式典は大変盛り上がりました。
草月マスターインストラクターとして長年に渡って世界各国で活躍されている福島光加先生を東京草月本部よりお招きしてのイケバナのデモンストレーションとパフォーマンスでは、私もバックステージで裏方としてお手伝いし、いろいろと学ばせていただきました。会場前の迎え花に我が家の最後の赤いシャクナゲを使っていただけたことは光栄でした。
翌日は、自分にとって特別な人へのアレンジメントというテーマのワークショップに参加。参加者全員に的確で細やかなアドバイスをされる福島先生の大ファンになりました!
前置きが長くなりましたが、ハーブの話を少々。日本人はハーブ(Herb)と発音しますが、アメリカ人には通じません。H は発音せず、「アーブ」(erb)と発音すればわかってくれます。ハーブは料理に使う香辛料。料理好きな皆さんの庭や鉢植えには、一般的に常時パセリ(Parsley)、ローズマリー(Rosemary)、タイム(Thyme)、セージ(Sage)、ミント(Mint)、オレガノ(Oregano)チャイブ(Chive)などの多年草が植わっているかと思います。ミント、オレガノ、チャイブは生命力旺盛でどんどん広がっていくので要注意。
忙しい中、既にポットに種を蒔いたのはイタリア料理に欠かせないバジル(Basil)、日本料理に欠かせない紫蘇(シソ)、メキシコ・中華・東南アジア料理に欠かせないパクチー(Cilantro)など。今はもう芽が出てきていますが、料理好きの方はこれらの一年草も育てておられるかと思います。2~3年前から、グラウンドカバーに使って重宝しているのが多年草のタイム(Thyme)。さまざまな種類があり、気に入っています。
- Red Thyme:常緑種で背が2~4インチのグリーンカーペットのよう。夏になると真っ赤な子花々が咲いて赤いカーペットに変わり、パスウエイや庭の飛び石(ステッピングストーン)の間に植えると雑草予防になり、綺麗で香り良し
- Elfin Thyme:常緑種でグリーンからピンクのカーペットへ。1~2インチとさらに小柄でかわいい
- Silver Thyme:同じく小柄。シルバーカーペットになります
- Silver Variegated Lemon Thyme:シルバーの小葉で、丈が6~9インチになり、レモンの香り
- Variegated Lemon Thyme:黄色の小葉でレモンの香り
Silver Variegated Lemon Thyme と Lemon Variegated Thyme のどちらも初夏にライラックやラーベンダーのような薄紫の小花が咲きます。
昨年の秋に、我が家の愛犬ドーバルマンピンチャーのマーラーとハナちゃんのメモリアルガーデンを作りました。このタイムをグラウンドカバーにしたので、写真をご覧ください。その他、加えたノックアウトローズ(Knockout rose)、キャットミント(Catmint)なども花を咲かせ、いい感じに。他に、ロシアンセイジ(Russian Sage)、ローズマリー(Rosemary)など、次から次へ咲くよう、いろいろと植えてあります。
また、同じ時期に、日照時間が6~8時間で乾燥する場所に、ラベンダーガーデンも作りました。長年に渡って放ったらかしにしていた6本のラベンダー(Lavender)を掘り起こし、固く木のようになっている枝を剪定、カットバックしたのを一か所にまとめて植え替えたのが、美しく、香りよく咲き始めています。6本と多いので目立つ効果があり、多肉植物やタイムなどのハーブ類もサポートしていい感じで満足。ラベンダー達も条件に合った環境で健康かつハッピー!
多年草のハーブは、一旦根付くと、日当たりを好むものも半日蔭でも十分に育ちますし、常緑種が多く、一年中楽しめます。また、香りが良く、寒さにも強く、水やりも自然任せで乾燥に強い上、害虫もなく、ほとんど手がかからず、気に入っています。もちろん、グラウンドカバーだけでなく、お料理にも使え、一石二鳥。おすすめめです!
Happy Gardening!
掲載:2019年6月