執筆者:真知子・フォート
2010年にワシントン州立大学のエクステンション・プログラムでマスターガーデナーの資格を取得して以来、コミュニティ・ガーデンや園芸相談、コミュニティガーデンの世話などボランティア活動を続けています。自宅のスタジオではイケバナ教室を開講中。初級クラスはオンラインでも受講できます。お問い合わせは machikofa@gmail.com まで。
草月指導者連盟会員、草月シアトル支部ボードメンバー、インターナショナルイケバナシアトル支部ボードメンバー
今年の春は雨が多く涼しく、カタツムリ・ナメクジが異常発生!庭の植物たちの成長もはなはだしく、当然、雑草や雑木もすごい勢いで育つので、ガーデナーにとっては闘いの時でした。
そんなわけで、しばらくペンを取る暇もありませんでしたが、これ以外に、長年考えていた2件のプロジェクトを実現したということもあります。一つは、長年考えていたストーンガーデン。二つ目は2階のパティオから裏庭に通じる地域に砂利敷きの小道と階段を作り、それに沿って花壇を作るということ。DIY プロジェクトでハードワークでしたが、完成した時は最高に達成感がありました!これは後日、詳しく書きます。
前置きが長くなってしまいましたが、アジサイと言えば、夏を象徴する花ですね!我が家に植わっていたのは、青色の普通のあじさいで、日本固有のガクアジサイからヨーロッパで品種改良されて生まれた西洋アジサイ(Hydrangea)でした。これは、日当たりを好み、土の湿り気を好み、真夏の暑い日は水切れで垂れて汚く見え、水やりが欠かせず、面倒で、好みではありませんでした。
ところが、アジサイにも手がかからず、私好みの種類があるということがわかってくると、好きになりました。それは、山アジサイと北米原産種のアジサイです。
先日、TV Japan の番組でアジサイの園芸専門家が自分の一番気に入っているというアジサイを披露したのですが、なんと我が家の庭に5年前ぐらいから植わっている 『紅(クレナイ)』 という山アジサイでした。なんとも光栄で、驚きました!
特徴は、咲き始めの花弁の色が白からピンクへ、そして深紅に変化し、半日蔭の庭で毎年美しい花々を咲かせ、ほとんど手間がかからないこと。アジサイの花は酸性の土だと青色に、アルカリ性だとピンク色ですが、山アジサイは関係ないようです。
もう一つは、山アジサイの白富士(Hydrangea serrata ‘Shiro-Fuji’)。2年前に買って玄関前の半日蔭の庭へ植えて、今年初めて清楚な白い剣弁の八重花を咲かせました。これは、RHS Award of Garden Merit をという賞を受賞しています。
山アジサイは普通の園芸店では見かけませんが、名の知れた植物園や園芸愛好家のプラント・セールなどで見かけます。私が手に入れたのは、地元で有名な園芸専門家のダン・ヒンクレイ(Dan Hinkley)のセミナーでした。ワシントン州インディアノラ市にある Windcliff Garden は彼の6.25エーカーの素晴らしい庭園で、一般公開されています。プラントの販売もあるので、手に入るかもしれません。
クレナイのそばに、北米原産種のカシワバアジサイ(Hydrangea quercifolia)を3年前に植えましたが、今、ピラミッド型のコンパクトな白い一重の装飾花がまとまってたくさん咲き始めています。カシワの葉のように見える葉は秋に紅葉し、寒さに強く、手がかからず気に入っています。この種では他に、切り花にぴったりなので買おうと思っているのが、アナベル(Annabelle)。花房が大きく、やや小さめの白い清楚な装飾花を数多くつけます。
カシワバを使っていけてみました。年6回ほど展示していたイケバナ展示会は年内はすべててキャンセルになってしまいましたが、次々と咲いてくる我が家の美しい花々を無視できないので、そのたびに、いけて楽しんでいます。
新型コロナウイルスでしばらくキャンセルになっていた園芸愛好家団体のオープンガーデンは解禁がとれ、先月から訪ねては楽しませて頂いています。もちろん、マスクは欠かせません。先々週は、ランドスケープデザインが素晴らしく行き届いた庭園(Puyallp, WA)を拝見。オーナーのガーデニングに対する並々ならぬ情熱が伝わってきて、感動しました!お蔭様で、我が家の庭のランドスケープを見直す機会となり、日々いろいろなアイデアが出てきて、ぼちぼちと再造園を進行中です。
2020年は建設の年のよう。
Happy Gardening!
掲載:2020年7月