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第42回 シャクナゲ(石楠花、Rhododendron)

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シャクナゲ

玄関前の半日陰の庭のシャクナゲ

真知子・フォートさん

執筆者:真知子・フォート
2010年にワシントン州立大学のエクステンション・プログラムでマスター・ガーデナーの資格を取得。園芸相談、コミュニティガーデンの世話などボランティア活動を続けています。マスターガーデナーの資格を取得して以来、コミュニティ・ガーデンや園芸相談、コミュニティガーデンの世話などボランティア活動を続けています。また、2021年7月から自宅の庭で生け花教室を開講しています。お問い合わせは machikofa@gmail.com まで。

草月指導者連盟会員、草月シアトル支部ボードメンバー、インターナショナルイケバナシアトル支部ボードメンバー

裏庭の赤い大きなシャクナゲ

裏庭の赤い大きなシャクナゲ

5月も下旬に入り、自宅待機生活も3ヶ月近くになると、少々疲れを感じますね。

以前にも増して庭で過ごすことが多くなって、今まで見えなかったことが見えてきました。中でも、たくさんあり過ぎて興味が遠のいていたシャクナゲ(石楠花)が大きく目に入るようになりました。

我が家の庭中にこれでもかこれでもかという数のシャクナゲが植えられたのは、もう20年前のことで、今では大きく成長し、大ぶりの花々の華やかな存在感は絶景かな。でも、4月下旬から華やかに咲き誇っていたのがほとんど終わりかけで、パーティが終わった後のような、一抹の寂しがあります。今年は残念ながら、我が家の恒例ガーデンパーティもキャンセルで、さらに寂しい思いです。

カルフォルニア州北部から1999年末に引っ越してきた当時、我が家の庭はジャングルのようでした。庭をなんとかしゃなきゃと焦っているうちに、近くのシャクナゲ農家が店閉いセール(大量の多種多様なシャクナゲが、1ガロン1ドルという信じられない値段)があり、あおられて大量に購入。すごい人混みで、ゆっくりできず、赤、ピンク、黄、紫と花の色での選択になりました。後日、造園プランもできていないのに、空いている場所に次々と植え込み、自然に西洋シャクナゲがベースの庭になったわけで、数えたら百本近くありました。

シャクナゲは常緑性の低花木ですが、種類によって大木になるのもあります。元々は高山の奥地にしか自生しておらず(アジア原産種)、19世紀中期にプラントハンターによって、中国から西欧にもたらされました。その美しさと豪華な花々はたくさんの人に愛され、世界各地で5000種を超す園芸品種が作り出されたのが西洋シャクナゲ(アジア原産種の改良交雑品種)です。

酸性土を好み、半日蔭という条件でよく育ち、花が終わった直後に、枝を整える剪定や花柄を取り除いてやると、翌年もたくさんの花を咲かせます。酸性土を好む植物用の肥料を、冬越しか、早春に与えて下さい。いったん根付くと、ほとんど手がかかりませんが、真夏の暑さでぐったりしたら水をやってください。虫害は、地面に近い葉が噛まれていたりするのでそれは取り除き、地面に垂れている葉は剪定して風通しを良くしてあげれば、問題ありません。

10年前にマスターガーデナーのトレーニングを受けてからは、ユニークなシャクナゲに注目するようになり、我が家の庭に加えました。

シャクナゲ

マキノイ

マキノイ(日本原産種)
暑さに弱く、デリケート。半日蔭は必須。今春初めて薄いピンクの花を咲かせてくれて感激したものの、育てるのが難しいのでお薦めしません。原産種は葉が細く、葉裏に毛が生えており、改良種の葉は太く、ほとんど無毛で、育てやすいのが特徴です。

シャクナゲ

スノーバード

スノーバード(Rhododendron ‘Snowbird’)
落葉低木(4フィートから6フィート)で、春に甘い香りのピンクの小花を咲かせ、秋には葉の色がオレンジ、赤、黄色に変わります。地元の greatplantpicks.orgのリストにも入っておりお薦め。ギボウシ(Hosta)と一緒に植えると合います。

シャクナゲ

ロイヤル・アザリア

ロイヤル・アザリア(Phododendron Schlippenbaii、Royal Azalea)
落葉低木で、3月半中旬から5月中旬まで藤色の可憐な花が咲く、ガーデン賞にも輝いた品種。10年以上前にシャクナゲ原産種植物庭園(Phododendron Species Botanial Garden, Federal Way, WA)にて購入。2、3度の移植にも耐えた強い種類で、今春はすごい勢いで花々をいっぱい咲かせてくれて大満足。

シャクナゲ

ポンティカム・バリエガタム

ポンティカム・バリエガタム(Rhododendron Ponticum ‘Variegatum’)
常緑花木で、ヨーロッパからの原産種、改良種もあり、緑の葉に白い筋が入っています。我が家の花の色は赤紫ですが、ピンク、紫があるようです。背が高くなってきており、細い枝曲がりが面白く、イケバナに重宝。

シャクナゲ

プレジデント・ルーズベルト

プレジデント・ルーズベルト(President Roosevelt)
改良種の常緑低花木で、緑の葉に黄色の線が入って、赤い花を咲かせます。

シャクナゲはほとんど終わりかけですが、次から次へと新しい花が美しい顔を見せてくれて楽しいですね。

Happy Gardening!

掲載:2020年5月



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