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第54回 春の祭典

真知子・フォートさん

執筆者:真知子・フォート
2010年にワシントン州立大学のエクステンション・プログラムでマスターガーデナーの資格を取得して以来、コミュニティ・ガーデンや園芸相談、コミュニティガーデンの世話などボランティア活動を続けています。自宅のスタジオではイケバナ教室を開講中。初級クラスはオンラインでも受講できます。お問い合わせは machikofa@gmail.com まで。

草月指導者連盟会員、草月シアトル支部ボードメンバー、インターナショナルイケバナシアトル支部ボードメンバー

桜祭りで展示されたインターナショナル・イケバナ展示会で展示した作品

この冬は例年になく寒くて長かっただけに、4月初旬のある日、穏やかな柔らかい日差しの中、穏やかな静けさにおおわれた庭を散策しながら、なんと快いのだろうと感謝の気持ちにあふれました。

吉野桜が満開になり、その後を八重桜が追い、早咲きのシャクナゲも次々と咲き始め、2月下旬にフェデラル・ウェイ市の Rhododendron Spices Botanical Garden で手に入れたさまざまなシャクナゲの原種も咲き始めています(この植物園は、今から5月初旬までは、さまざまなシャクナゲが咲き乱れて、きれいです。園内の店で、珍しいシャクナゲの原種や他の植物も買えるので、ぜひ出掛けてお楽しみください!)(「第53回 冬の過ごし方」参照

4月初旬の週末にシアトル・センターで2年振りに桜祭りが催され、インターナショナル・イケバナ展示会にイケバナを展示し、恒例の行事を楽しみました。この時期はいつも我が家のツバキが満開になります。花持ちもよく、魅力ある花材なので、今回も使いました。上の写真をご覧ください。

半額セールで手に入れたさまざまなスイセンとチューリップをたくさん混ぜて植え、前の方にアネモネの球根を植え込みました

さて、本題に。寒くなり始めた昨年の11月13日、春にいろいろな花が咲き乱れる「春の祭典」を夢見ながら、春に花を咲かせる球根たちだけの花壇を作りました。半額セールで手に入れたさまざまなスイセンとチューリップをたくさん混ぜて植え、前の方にアネモネの球根を植え込みました(「第51回 春に咲く球根の花壇」参照)。

2月13日に芽がたくさん出て、3月27日にスイセンが咲き始め、チューリップの蕾もたくさんつき、アネモネの葉っぱが出てきました

2月13日に芽がたくさん出て、3月27日にスイセンが咲き始め、チューリップの蕾もたくさんつき、アネモネの葉っぱが出てきました。そして、4月11日、黄や白のスイセンに、赤、ピンク、黄色、白、オレンジ色の大小のチューリップの蕾がいっぱい、ピンクのアネモネの花が咲き、まさに「春の祭典」!

4月11日、黄や白のスイセンに、赤、ピンク、黄色、白、オレンジ色の大小のチューリップの蕾がいっぱい、ピンクのアネモネの花が咲き、まさに「春の祭典」!

我が家の窓からこの裏庭のガーデンを見渡せるのですが、その後に続いた雨の日もこのカラフルな花々を観察でき、心が癒されました。ほんと、やったかいがあった、いいアイデアだったと満足。お薦めです!この春はまだ冬の延長のようで冷えているので、花持ちも良く、今月いっぱいは咲いてくれそうなボーナス付き。感謝です!でも、「5月に入ったら、花が枯れて茎や葉も枯れて汚くなるのでどうしよう」と考えていたら、今朝のマスターガーデナー勉強会で、「ワイルドフラワーミックスの種を蒔くと、秋口まで花々で楽しめる」というアイデアが出たので、ぜひやろうと思っています。

この冬は2回の雪嵐があり、雪の重みで数々の植物が害を受けました。我が家の庭では、シャクナゲやツツジは葉が焼けて黒くなったりの被害があったものの、花はちゃんと咲いてきています。やはり、この地方のシンボルにもなる花木は違います!

また、黄色の小花から赤い実になるハイペリカム(Hypericum)は、お気に入りの花木で3本も植えていますが、死んだようでがっくりしていたら、なんと地上から若葉がいっぱい出てきました。もう一つ、お気に入りの赤い実のコトネアスター(Cotoneaster)も同じ状態でしたが、小枝に芽がいっぱい出てきました。

でも、ダメになったものは2、3あります。10年も前に植えたブルーの花が美しいカルフォルニアライラック(California lilacs)は、真茶になって死んだよう。常緑低木で成長が早く、8フィートぐらいになっており、毎春、花を咲かせてミツバチたちに人気の花木でした。耐寒性が低いようで、寿命かもしれません。

 
エルサレムセージ(Jerusalem Sage)は、香辛料として利用されるセージの仲間ではなく、育てやすい常緑性(シルバーカラーの葉と大きい黄色の花)の低木。花は乾燥させてドライフラワーにしたり、ポプリなどのクラフトに利用していますが、耐寒性は高いはずが、完全に枯れた感じに。我が家にもう10年は植わっています。

ヒーブ(Hebe)はニュージランド原産の常緑低木。育てやすいのですが、耐寒性は低く、我が家のは5年ぐらい持ったかしら。

今までの経験から、当地より暖かいカルフォルニア州、ニュージーランド、オーストラリアからの植物は失敗が多いように思うので、もう買わないと決めました。

冬を越した春の庭で、害を受けた植物を見つけたら、焦らず、待ってあげるということで奇跡が起こるかもしれません。気長にいきましょう!

Happy Gardening!

掲載:2022年4月

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