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第36回 シアトルで育てる夏野菜と果物

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真知子・フォートさん
真知子・フォートさん

執筆者:真知子・フォート
2010年にワシントン州立大学のエクステンション・プログラムでマスターガーデナーの資格を取得して以来、コミュニティ・ガーデンや園芸相談、コミュニティガーデンの世話などボランティア活動を続けています。自宅のスタジオではイケバナ教室を開講中。初級クラスはオンラインでも受講できます。お問い合わせは machikofa@gmail.com まで。

草月指導者連盟会員、草月シアトル支部ボードメンバー、インターナショナルイケバナシアトル支部ボードメンバー

今年の夏は例年に比べ涼しく、珍しく8月に雨が降って過ごしやすかったですね。その一方、例年に比べ短くて、いつの間にかもう秋に入っています。そうなると、そろそろ、夏野菜も終わり。年を重ねる度に、新鮮なオーガニック野菜が健康に及ぼす大きなパワーに気づかされ、自分で育てた野菜が美味しくて、また、毎年豊作ということもあってか、年々、野菜に対する思いが強くなっています!

真知子・フォートさん

今年もたくさん実ったトマト。5月初旬に恒例のマスターガーデナー・プラントセールで5種類の苗を買い、我が家の野菜畑へ植え込みました。毎年豊作の理由は次の4つ。

  1. full sun:1日6時間から8時間の日照時間がある。
  2. 土にオーガニックコンポストと肥料(10-10-10)を混ぜる。
  3. トマトは暑いのが好きなので、プラスチック・マルチングをする。苗を植える列に黒いプラスチックを引いて、苗が入るぐらいの穴を開けて苗を植え込む。このプラスチックマルチは地面の熱を保ち、雑草除けにもなる。
  4. 水やり

今回植えたのは次の5種類。

  1. 55日から70日ぐらいまでに大型の赤い甘い実がなるブッシュチャンピオン(Bush Champion)
  2. 中型のオレンジ色のトマトは甘く、2014年AAS Winner(Chefs Choice Orange)
  3. レモンボーイ(Lemon Boy)は中型黄色のマイルドな味。
  4. 桃太郎(Momotaro)は中型の赤い実で美味。
  5. バレンタインチェリートマト(Valentine)は2018年 AAS Winner。真っ赤な甘いキャンディのようなジューシーな味で、実に亀裂が入ったりすることなし。

本当にどれも美味しかったです!

※AAS:All America Selections の略で新種を研究調査、ベストパフォーマンスの種に賞を授ける団体

また、いつもはパッとしないキュウリが初めてどんどんなり、嬉しい驚き!いつもは苗を買って植え込んでいましたが、今回初めて室内で種から育てました。イングリッシュ・キューカンバー(Cucumber English, Telegraph Improved)という種を植えたのが良かったようです。これも暑いのが好きなので、プラスチック・モルチングが欠かせません。甘く長く細く、種が少なく美味しく育てやすし。

真知子・フォートさん

忘れていたのが、大好きな茄子(Eggplant)。園芸店で Shikou と Little Fingers という2種の苗を見つけました。これも暑いのが好きなので、プラスチックモルチングを。8月末から実がなりだし、どちらも実も皮も柔らかくて、チキンと一緒にしてドライカレーにしたり。美味しくいただきました。

ケール(Kale)は、私の毎朝のスムージーに欠かせない野菜。ケール(3~4葉)、セロリ(半本)、バナナ(2~3スライス)、糖分少なめのココナッツウォーター(1カップ)をブレンダーへ。お通じが良くなり、体調良し。今回はブラックマジックケール(Black Magic Kale)という種を蒔きました。ケールは寒さに強いので、種を畑に蒔くと、簡単に育ちます。バナナはすぐに傷むのでスライスにして冷凍にすると1ヶ月以上はもつので重宝しますし、スムージーが少々冷えていっそう美味しくなります。

キャンディ・キャロット(Candy Carrot)は食べやすい、かわいらしいサイズの人参。とっても健康なスナックなので、子どもにも大人にもぴったりですよ。スーパーマーケットで売っているスナック用の小さい人参とは雲泥の差。畑に種を蒔いて放っておいても育ちます。

真知子・フォートさん

フルーツは、6月にイチゴが大豊作。2年前に、半日蔭の裏の畑から、家の前の日当たりの良い畑に移したのが効いたようで、実も大きく甘く、堪能しました。

真知子・フォートさん

7月にはラズベリーが豊作。鳥たちに食べられる前に、ラズベリーレアチーズケーキを作りました。美味しかったです。ラズベリーの実が終わると、古い枝を根元から剪定、新しく出てきた枝々に、来年の実が付きます。

真知子・フォートさん

8月末頃から、樹齢40年にもなろうというグラニー・スミス(Granny Smith)という種のリンゴの木が、毎年少しながら黄緑色の実をつけてくれます。ベーキングは得意でなくとも、有難い自然の恵みでアップルパイを焼くのが定番に。今回は、タルトを焼いてみました。市販のパイ皮一枚を使うと簡単。

  1. まず、オープンの温度を400Fにセットします。
  2. 平たいベーキングパンにベーキングシートを敷き、その上にバイ皮を広げます。
  3. リンゴ4個はそれぞれを4分の1に切り、皮をむき、芯を取り除き、0.5ミリぐらいのスライスにして、パイ皮の上に順序良く並べます。
  4. リンゴ自体は熟し十分に甘いので、オーガニック砂糖をパラパラと振りかけるだけ。
  5. レモンジュースを少々かけて、小さいキューブに切った無塩バターを所々に散らばしてオーブンへ。
  6. 45分ぐらいで表面が茶色っぽくなればとりだします。

お好みで、少々のマーマレードジャムかアプリコットジャム、ラム、水を混ぜて弱火にかけて溶かしたのを、ブラシでタルト全体に塗ると、光沢が出て、さらに美味しそうになります。パイは2枚の皮なので胃に重いのですが、タルトは1枚で軽く、大好きになりました。残ったリンゴは鹿が食べに来るので心配なし。

この夏も近くのブルーベリー・ファームでピックしたブルーベリーがたくさん冷凍庫にあるので、ブルーベリーパイも試してみましたが、美味しくできました!来年はラズベリーで試してみます。

来年はどんな野菜を育てようかと、今から楽しみです!

Happy Growing & Cooking!

掲載:2019年9月



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