山火事の煙に覆われたシアトル
2020年9月15日撮影
ワシントン州では、夏は雨が少なくなり乾燥します。最近では平年より高い気温の日が増え、干ばつの被害や山火事のリスクが長期化している傾向が見られます。特に、山火事の煙に含まれる微小な粒子状物質PM2.5は、呼吸器系、心血管系、その他の健康問題の原因となり、子どもや高齢者、免疫系が弱い人にとって特に危険ですから、吸い込まないようにしなくてはなりません。
ここでは、山火事の煙がひどい時の対策をまとめました。
山火事の状況の確認
山火事の状況や大気の質は随時更新されており、次のウェブサイトやそのアプリなどで確認できます。
- Washington Smoke Information
- AirNow.gov
- Puget Sound Clean Air Agency
- Department of Ecology: Washington’s Air Monitoring Network
大気の質を表す AQI
よく見聞きする AQI（エーキューアイ）とは、Air Quality Index の頭文字を取ったもので、大気の質を表す指数のことです。
値は0から500まであり、数字が大きくなればなるほど大気の質が悪いことを意味しますが、6段階に分かれており、151以上は誰にとっても有害です。
詳しくは、「山火事とアメリカの大気質指数（AQI）」をご一読ください。
左：山火事の煙で大気の質が悪化した2020年9月14日
右：煙がなくなり、大気の質が改善した2020年9月19日
日常生活でできる対策
山火事の煙に含まれる微小な粒子状物質PM2.5を吸い込むと、呼吸困難、喘息発作、肺や心臓の病気など、すぐに反応が出る被害や長期的な健康被害につながります。子どもや高齢者、免疫系が弱い人にとって特に危険です。
ピュージェット・サウンド・クリーンエア・エージェンシーやワシントン州保健局は、次のことを推奨しています。
- 屋外での活動を最低限にする。（できるだけ外に出ない）
- 窓やドアを締め切る。
- 自宅の中で空気を清浄する部屋（clean room：クリーン・ルーム）を決める。
- 3のクリーン・ルームで空気清浄機を使用する。
- 空気清浄機を低価格で自作して使用する。
また、買い物に出かけるのも避けた方が良いことから、山火事の煙の被害が悪化する予報が出されたら、生活必需品や食料品を購入しておくのもお勧めです。
空気清浄機とは（air purifier）
室内の空気をきれいにする空気清浄機（air purifier）は、さまざまなものが販売されています。
ワシントン州保健局は、自宅の中で空気を清浄する部屋（clean room：クリーン・ルーム）を決め、その大きさに合ったポータブルの HEPA 空気清浄機を推奨しており、1時間に5～6回空気を入れ替える装置を提案しています。
※HEPA とは、high efficiency particulate air のこと（EPA：環境保護庁）。
空気清浄機（air purifier）を低価格で自作するには
空気清浄機を非常に低価格で自作する方法も紹介しています。
このフィルターファンは、山火事の煙に含まれる微小な粒子状物質PM2.5をろ過することができるそう。こちらの動画などを参考にしてください。
必要なもの：
- 20″ x 20″ box fan
- 20″ x 20″ x 1″ MERV 13 or FPR 10 filter
- Power drill※
- 3/4″ screws※
- 2″ corner brackets※
※power drill（電動ドリル）がない場合は、ネジやブラケットの代わりに、テープやバンジーコードで代用できます。