「その人らしく生きるのを助けるのが医療」をモットーに、日米の医療のさまざまな違いをわかりやすく解説します。
Health Care Provider -アメリカの医療供給者とは-
日本では、一般的に、「医師でなければ医業をなしてはならない」と法律で決められており、医師以外が医療行為を行うことは禁止されています。
一方、アメリカでは、MD(Medicine Doctor)と呼ばれる医師のほかにも、医療行為を認められている職種があります。
それは、医師のアシスタントである PA(Physician Assistant)と、高度な知識と技術を持ち合わせた特定の看護師である NP(Nurse Practitioner)です。
PA と NP は、診察、診断、一定の治療や薬の処方などの医療行為ができます。また、NP は診療所を開設することもできます。
また、アメリカでは、医療機関で働く人の職種もさまざまです。ここではその一部を紹介します。
略称 | 意味 |
---|---|
ARNP(NP) | Advanced Registered Nurse Practitioner |
CNA | Certified Nursing Assistant |
DDS | Doctor of Dental Surgery |
DMD | Doctor of Dental Medicine |
LPN | Licensed Practical Nurse |
MD | Doctor of Medicine, Medical Doctor |
ND | Doctor of Naturopathy |
OD | Doctor of Optometry |
OT | Occupational Therapist |
PA | Physician Assistant |
PharmD | Doctor of Pharmacy |
PT | Physical Therapist or Physiotherapist |
RN | Registered Nurse |
SW | Social Worker |
ST | Speech Therapist |
Primary Care Provider - かかりつけ医とは-
日本では、体調が悪くて医療機関に診てもらいたいとき、耳に違和感があれば耳鼻科へ、胃が痛ければ内科へ、といったように、その時々で病院や診療所を自分で選んで行くことができます。
しかし、アメリカでは、まずは「かかりつけ医」である Primary Care Provider(PCP)に診てもらうことをおすすめします。
なぜなら、保険の種類によっては、専門医にかかるのに PCP を通さなければならないシステムがあり、PCP からの紹介がない場合に保険でカバーされないことなどがあるからです。
また、決まった PCP に診てもらうことにより、自分の健康の過程を一つの場所で管理することができますし、PCP との信頼関係を築くことにもなります。
このように、アメリカで医療を受けるには、自分や家族の PCP を決めておくことがとても大切になります。
PCP には、MD、あるいは NP を選びます。PCP は、自分が加入している保険会社の情報から探したり、友人や知人などから紹介してもらったりするのもいいでしょう。ただしその場合、その MD や NP が、自分の加入している保険でカバーされているか確認する必要があります。
このように、アメリカでは、緊急を要する状態でない限り、PCP を通して診察や治療を受けることになります。
では、「今すぐ医師に診てもらいたい、でも、PCP とすぐに予約が取れない!」という時にはどうしたらいいのでしょうか。
「アメリカで ER(Emergency Room)へ行く、その前に」をご覧ください。
掲載:2014年6月 更新:2019年11月 情報提供:youcocare 看護師 岡本 優子さん
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