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アメリカで医療サービスを受ける前にしておくこと

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日米の医療の違い

「その人らしく生きるのを助けるのが医療」をモットーに、日米の医療のさまざまな違いをわかりやすく解説します。

こんな相談を受けることがよくあります。

「医師から今後の治療方針について、いろいろと説明を受けました。手術をしますか?薬を飲みますか?それともこのまま様子を見ますか?と、提案をされたのですが、どうしたらいいのか決められません。どうしたらいいのでしょう?」

日本では、医業については医師にお任せする、または、医業に口出しをするのは失礼だと考えることがあります。

一方、アメリカでは、医療を受ける個人が、納得のいく治療方針を自分で決めていきます。そのため、このことに慣れない日本人の私たちは、医師から治療の提案をされたときに少なからず困惑してしまうのです。

治療方針を決めていくにあたり、まずみなさんが最初にすることは、情報を集めることだと思います。現代社会においては、情報の多くをインターネットから得ていますが、その情報の多さにより混乱したり、不安に陥ったりするのも事実です。

そこで、情報の数々に惑わされないためには、まず、国や研究機関からの基本的な情報を得ることがとても大切です。

医療サービスを受ける前の準備

例えば日本の場合、厚生労働省から健康に関する情報が発信されています。アメリカの場合は、日本の厚生労働省にあたる機関の代わりに、CDC(Centers for Disease Control and Prevention)FDA(Food and Drug Administration)DOH(Washington State Department of Health)などが、アメリカ国民のための健康に関する情報を発信しています。保険や福祉に関することから、各病気に対する一般的な治療方法など、知りたい情報のほとんどはここから得ることができるでしょう。

また、医師からの今後の治療方針の提案も、自分が納得するまで説明を受けましょう。英語が苦手な方は、通訳をつけることも可能です。英語以外を母国語とする患者には、医療通訳をつける義務が医療者の側にあり、患者の側にもその権利があります。

また、家族や友人、保険会社、ソーシャルワーカーなど、様々な人や側面からの意見を聞くことも大切です。

さて、そのようにして得た情報をもとに、自分で納得のいく決断を出したとします。そのときのあなたの判断は、最善のものです。その決断に、ぜひ自信を持ってください。

Quality Of Life(QOL;人生の質)という言葉がありますが、健康に関する様々なことを自分自身の判断で選択していくことは、自分らしい人生を歩むことでもあります。それは、この国で自分らしく生きていくためにも、とても大切なことです。このコラムでは、医療に主体性を持って関わり、医療者といい関係を築き、自分にとって最善の医療を受けることを通して、自分らしいアメリカ生活を送ることに役立つさまざまな情報をご提供していきたいと思います。

アメリカ特有の Health care provider についてはこちら。アメリカの法律では、医師以外にも多くの職種が医業に携わることが認められています。これも日本から来た日本人にとって混乱することのひとつですので、整理してお伝えします。

掲載:2014年5月 更新:2019年11月 情報提供:youcocare 看護師 岡本 優子さん

コラムを通して提供している情報は、一般的、および教育的情報であり、読者個人に対する解決策や法的アドバイスではありません。 このコラムから得られる情報に基づいて何らかの行動を起こされる場合は、必ず専門家に相談するようにしてください。



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