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花粉症(pollen allergy)

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春はアレルギー症状が現れる季節。鼻水や鼻づまり、目がしょぼしょぼして痛みやかゆみもあり、その上クシャミとなると、集中力も弱まり、仕事や勉強の効果もグンと下がってしまいます。さらに、夜の睡眠も妨げられれば、体力にまで影響しかねません。

アレルギーを他人事のように思っていても、当地へ移って来た2~3年後に症状が出てくるケースも少なくありません。日本、そしてアメリカでは、全人口の10%以上が何らかのアレルギー性疾患をもっていると報告されています。さて、多くの人を悩ますアレルギー症状とは、いったいどのようなものなのでしょうか?

症状と原因

アレルギーには、特定の季節にだけ起こる “季節性アレルギー” と、1年中起こる “通年性アレルギー” があります。どちらも症状は同じで、体の中に侵入した異物(アレルゲン=抗原)に対して血液中に作られる反応物質(抗体)が肥満細胞の表面で結合すると、肥満細胞の中からヒスタミンと呼ばれる化学物質が分泌されることから、さまざまな症状が引き起こされます。

ヒスタミンは、毛細血管を拡張し、かゆみや浮腫を発生させます。また、血圧を下げたり、気管支を収縮させたりなどの症状も引き起こします。季節性アレルギーのアレルゲンの原因は主に花粉で、ワシントン州では3月から6月にスギ科やブナ科、夏には芝生、秋にはブタクサ科(フリーウェイの横に生えている黄色い花がそうです)のものが悪さをします。また、ハウスダストは、通年性のアレルギーを起こす大きな原因となっています。ハウスダストは、寝具、衣類、カーペットなどから出てくるホコリ、塵、人やペットのフケ、ダニ、カビ、羊毛、羽毛、細菌など、いろいろなものがあります。特に最近の密閉された建築様式は、アレルゲンを増殖させる最大の原因となっています。

pollen-allergy 花粉症

治療

1にも2にも、アレルゲンの除去、そして対症療法と言うくらい、徹底的にアレルゲンを避けることが最良の治療法となります。アレルゲンが花粉の場合は、花粉の多い場所を避け、家の周囲にそれらの草木があれば除去し、花粉指数の高い日(晴れていて風のある日)には、家や車の窓を閉めるようにしましょう。また、ハウスダストの対策としては、家の中をよく掃除し、掃除機も頻繁にかけるようにします(掃除機は、アレルギーの持ち主以外の人がかけましょう。その際、アレルギーの持ち主は家から出ることが必要です)。暖房、冷房の換気孔のフィルターなども市販されています。室内空気清浄器もある程度役立ちます。羊毛、羽毛の寝具は避けた方が良いでしょう。

また、減感作療法といって、少量のアレルゲンを頻繁に注射し、その量を少しずつ増やしていく方法もありますが、成功率は3割程度しかありません。

対症療法

薬物を直接耳や鼻に使用する局所療法と、内服薬を使う療法があります。市販されているアレルギー用の点鼻薬は、即効性はありますが、1週間以上使用すると、かえって鼻詰まりが起きるという副作用がありますので、使用する際はご注意ください。一方、医師から処方される副腎皮質ホルモンスプレーの点鼻薬なら、副作用もほとんど無く、効果的で、長期使用も安全です。また、内服薬としては、抗ヒスタミン剤があります。しかし、服用すると、少し眠気をもよおす事がありますので、日中の勉強、仕事、運転などには支障が出ます。最近は眠気を起こさずに効果のある抗ヒスタミン剤も開発されていますので、かかりつけの医師に相談してください。

アレルギー疾患は、外的要因だけではなく、内的要因が複雑に関与しています。毎日の生活で無理をせず、栄養のバランスのとれた食事をし、ストレスを軽減し、酒・タバコを控え、適度に運動する事が、この疾患の最良の予防方法となります。

花粉: pollen (ポーリン)
花粉指数: pollen report などと言います。
花粉指数は、テレビのニュースや天気予報でも報道されます。インターネットでも、指数を報道しているサイトがあります。

花粉指数サイト
www.weather.com

提供:Overlake Hospital

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