執筆者:真知子・フォート
2010年にワシントン州立大学のエクステンション・プログラムでマスター・ガーデナーの資格を取得。園芸相談、コミュニティガーデンの世話などボランティア活動を続けています。マスターガーデナーの資格を取得して以来、コミュニティ・ガーデンや園芸相談、コミュニティガーデンの世話などボランティア活動を続けています。また、2021年7月から自宅の庭で生け花教室を開講しています。お問い合わせは machikofa@gmail.com まで。
草月指導者連盟会員、草月シアトル支部ボードメンバー、インターナショナルイケバナシアトル支部ボードメンバー
9月に入って、朝晩冷え始めたらもう秋。11月初旬頃までの約2ヶ月は、植え付け、移植、株分けなどが思いっきりできる、忙しくも楽しい、庭作りに最適な時期です。
夏のガーデニングは庭の植物たちが暑さでうなだれ枯れてしまわないよう、早朝か夕方の涼しい頃に水やりに集中するのが主な日課で甚だ単調で面白くありません。夏の植え付け、移植、株分けは御法度。暑さが植物にストレスを与え、不成功に終わる可能性大です。
でも、春に植えこんだダリアやグラジオラスの塊茎が色とりどりの鮮やかな花々を見せてくれる夏のガーデンは華やかでハッピー!水やりに出たついでに、ダリアの終わった花を鋏で切ってやると(花がら摘み)、花が次々と咲いて、霜が降りるまで楽しめます。
9月に入ったら、まずは、成長し過ぎて傍の植物の成長を脅かしている植物を掘り起こして、その植物の条件に合った他の場所に移したり、お友達やご近所に株分けし合ったり、病気や元気のない植物を取り除いたり、花が終わって枯れた植物たちのクリーンアップ。さらに、オーガニック・コンポストを土に混ぜて健康で肥えた状態にして、秋の花々を植えこみ、水をたっぷりとあげたら後は雨にお任せして、秋の庭を楽しみましょう!
秋といえば、紅葉(こうよう)。多種多様のモミジ(Japanese Maple)とカエデ(Acer)のイメージが浮かんできます。実は秋の花は少ないのですが、今回は、この地に合った、育てやすい植物をご紹介します。
8月末頃から咲き始めるのは、Aster Perennial (宿根アスター)。紫、藤色、ピンク、白などの可愛い小花たちがナーサリーやホームセンターの店先に並んでいます。キク科の宿根草で、耐寒性(Hardy)、日当たりを好み、10月頃まで咲きます。種類も多く、遅く咲くのもあり、背丈が高くなるのもあります。もちろん、日当たりの良い場所にあるコンテナに植えてもいい感じ。冬に短く切り戻して、冬越しのオーガニックの肥料を与え、ウッドチツプなどで根を守ってマルチングしてておくと、春に成長が良く、夏の終わり頃から元気に花々が咲き始めます。年々株が大きくなり、下の方の葉が蒸れて枯れることがありますが、枯れた葉は取り除き風通しをよくするといいでしょう。
他には、Japanese Anemone(シュウメイギク、秋明菊)もおすすめ。多年草で耐寒性、半日を好む秋の植物。花の種類も多く、薄いピンク、紅色、白に、一重咲き、八重咲きがあります。環境が合うとすごく増えるので、庭の中心ではなく端に植えると良いでしょう。
Chrysanthemum(菊)も秋を代表する花ですね。でも、多くのお店に出回っている小菊は安価に手に入るものの、ほとんどは Hardy でなく、冬に消えて終わりの代物。お薦めは、Apricot Daisy Chrysanthemum(アプリコット・デイジー・クリサンタマム)で、一重咲きの優しいアプリコット色。日当たりの良い場所を好み、9月下旬ぐらいから咲き始め寒さに強く、冬を越して毎年秋に戻ってきます。
また、原産地が日本の Gymnaster Savatieri(ミヤコワスレ、都忘れ)もおすすめ。キク科の多年草の藤色の花で、耐寒性で手がかからなく育てやすく、蝶々を呼びます。写真のミヤコワスレの右後ろの見えるのは、Aster Lateriflorus といいます。まだ花の蕾だけなのですが、小さな小さなピンクと白の可憐な花が咲き、葉や茎がバーガーンデイの色というのが珍しいアスターです。日本のウェブサイトで調べても見つからないので、当地だけかもしれません。
コスモスは秋に咲く一年草。霜が終わった頃、母の日の後に、日当たりの良い場所に置いたコンテナにコスモスの種(背が低いタイプ)をパラパラ蒔いて、芽が出てくるまで土を乾かさないようにしていれば、8月末ぐらいから白、ピンク、紅色の可愛い花が咲き出して、秋が来たと教えてくれます。
秋の庭を充実させて、楽しみましょう!Happy Gardening!
掲載:2014年9月