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第8回 自然の庭-シャクヤクとボタンの話

真知子・フォートさん

執筆者:真知子・フォート
2010年にワシントン州立大学のエクステンション・プログラムでマスター・ガーデナーの資格を取得。園芸相談、コミュニティガーデンの世話などボランティア活動を続けています。マスターガーデナーの資格を取得して以来、コミュニティ・ガーデンや園芸相談、コミュニティガーデンの世話などボランティア活動を続けています。また、2021年7月から自宅の庭で生け花教室を開講しています。お問い合わせは machikofa@gmail.com まで。

草月指導者連盟会員、草月シアトル支部ボードメンバー、インターナショナルイケバナシアトル支部ボードメンバー

Flame Peony(芍薬)

6月に入って、日々晴天続きで急に暑くなり、あっという間に初夏。夏は、暑さが植物にストレスを与えるので、植え込みや移植には最悪な時期です。この春に植え込んだり、植えて一年未満の植物たちには特に注意してあげて下さい。土が乾いて植物がグニャグニャにしぼれていないかチェックして、朝か夕方の涼しい頃に水やりをしてあげて下さい。また、乾燥防止のためのマルチングをお忘れなく!植え込みの最良の時期は秋、10月から11月です。植え込んだ際に、水をたっぷりと与えるだけ、後は雨が根付けをやってくれるので手間なし!元気に育ってくれます!

(ただし、キュウリやトマトなどの夏野菜の苗は今が植え時、毎日の涼しい朝晩の水やりは欠かせませんね!)

Flame Peony(芍薬)の株全体

ついこの間まで、目を楽しませてくれていた芍薬(シャクヤク:Herbaceous Peony)の花々も終わりました。今年は、2年前の母の日に草月流いけばな展がシアトルのスワンソン・ナーサリーであった際に40ドルも出して買った Flame Peony という赤い芍薬が見事に次から次へ咲き、嬉しい限りでした!これは手まり咲きやバラ咲きのような花弁数が多くて重く、香りの強いものが多いヨーロッパ産の洋シャクヤクと違い、和シャクヤクと呼ばれる花弁が一重で比較的シンプルな種類。生けやすい切り花で気に入っています。一般的にどの芍薬も育てやすく、お世話も簡単なのでお薦めです!

洋シャクヤク

シャクヤクはボタン科の宿根草。冬は地上部が枯れ、地中の根や芽が冬越し、5月に豪華な花々を咲かせ目立つので家の入口あたりによいかも。日当たりを好みますが、明るい半日陰で午後に日陰になるところがよく育ちます。また、水はけがよく、コンポストと腐葉土を混ぜた肥沃な土を好みます。花が終わったら、病気予防と株の消耗を防ぐために必ず手で花がらをもぎ取って下さい。鋏から細菌が入る事もあるので、鋏を使う時は、消毒してからお使いくださいね。よく「花が咲かない」という方がおられますが、聞いてみると何の肥料もあげていないと言われます。どんな花でも、肥料が不足すると花が咲きにくくなるので、少なくとも、植えつけ時と冬越しの肥料は施してあげて下さい。私はオーガニック・ボーンミールを根元に少々すりこむように入れた後、マルチングします。また、花付きや生育を良くするために4~5年に一回の株分けを10月頃にします。この株分けのお蔭で、うちの庭は5月になると洋シャクヤクの赤とピンクが増えて、いたる所で咲いて華やかです!この秋も株分けしなくっちゃ!

まだ花の咲かないボタン、花は似ていても、葉の形がシャクヤクとは全然違います。

他のボタン科に、牡丹(ボタン:Tree Peony)があります。これは中国原産の落葉性花木で、4月から6月に開花します。芍薬同様に耐寒性ですが暑さに弱い方で、明るい半日蔭の涼しい場所を好みます。2年前に買って庭植えしているボタンの小木は、残念ながらまだ花を咲かせていませんが、黄色い花を見るのが楽しみです!10年で高さ4フィート・幅4フィートと大きくなるようなので、それを見越してスペースのあるところに植えました。他にもWoodland Peony(ウッドランドに生育する白い一重の花)や、Intersectional Peony(Itoh Hybrids:ボタンと芍薬をかけた多年草)があります。来年も美しい花を咲かせるよう、今、枯れた花がらを手でつまみ取っておきましょう!冬が来る前に冬越し肥料をあげてマルチングもお忘れなく。次回はユリのお話です。

Happy Gardening! 

掲載:2015年6月

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