執筆者:真知子・フォート
2010年にワシントン州立大学のエクステンション・プログラムでマスター・ガーデナーの資格を取得。園芸相談、コミュニティガーデンの世話などボランティア活動を続けています。マスターガーデナーの資格を取得して以来、コミュニティ・ガーデンや園芸相談、コミュニティガーデンの世話などボランティア活動を続けています。また、2021年7月から自宅の庭で生け花教室を開講しています。お問い合わせは machikofa@gmail.com まで。
草月指導者連盟会員、草月シアトル支部ボードメンバー、インターナショナルイケバナシアトル支部ボードメンバー
至る所に植えられている梅(Thunderclouds Plum)が開花を終え、赤紫の葉が出始めると、もっと淡いピンクで愛らしい吉野桜(Yoshino Cherry Tree)が咲き始めました(『ワシントン大学の桜の開花状況(2015年版)』 をどうぞ)。今年は花が多いので嬉しくなって散策していると、いつの間にか、さまざまなな美しい花木たちが「私を見て見て」と言わんばかりに咲き誇っているのに気づきました。
年々高くなる木の陰にあったレンギョウ(Forsythia)を日当りの良い場所に移してからは、濃い黄色の花が元気一杯に咲くようになりました。レンギョウは落葉性で、寒さに強く、繁殖力が旺盛でよく繁り、樹高は5フィートぐらい。花の終わった直後に、古い枝や今年花をつけなかった弱い枝を根元から切り落とす整剪定をすると、綺麗な姿に収まります。
雪柳(ユキヤナギ)、富士山(Spiraea Thunbergii, Mt. Fuji)は、枝垂れた枝先の長い穂に、白い小花をたくさん咲かせてひときわ目を引く魅力的な落葉性の植物。最近になって、ピンクの花のフジノピンク(Fujino Pink)の品種も出てきています。強健、生育旺盛で、5フィートに成長するので、日当たりの良い花壇の後ろに適しています。花が終わった後に根元から刈り込んでも、秋までに新梢が1メートル以上伸び、翌年もよく花がつきます。
ユキヤナギは Spiraea Family ですが、その仲間の Spiraea Japonica "Gold Mound" という、とても目立つ落葉樹もお勧めです。2-3フィートと小振りで、日向か半日蔭の庭の境界線や生け垣などに合います。今は金色の小葉がたくさん出てきている時期で、そのうちに濃いピンクの小花が出て、蝶々がやってきます。秋も葉っぱが綺麗で、長く楽しませてくれます。
レッドフラワリング・カラント(Red-flowering currant)は、ワシントン州のネイティブ・プラントで、赤い可憐な花を一杯つける、目立つ落葉樹。日向でも半陰でも良く、5-10フィートまで成長します。ハミングバードや蝶々が寄ってきます。ネイティブなので丈夫なのですね!
前回にご紹介した沈丁花(ジンチョウゲ:Daphne)ですが、香りの良い、濃いピンクの小花を咲かせる新種を地元の専門ナーサリーで見つけたのでお知らせします。それは、Daphne "Lawrence Crocker" という常緑樹。高さは1フィートと低いので、花壇の前に植えて良いようです。半陰の湿った土を好みます。前回にも述べたアセビ(Pieris Japonica)もお忘れなく。もう一つ、ボケ(Flowering Quince)という落葉低木もお勧め。耐寒性で、乾燥にも強く、日向と風通しの良い場所を好みます。白、赤、ピンクの花を咲かせますが、よく目にするのは赤です。
ツバキ(Camellia Japonica)は成長がゆっくりの常緑樹。ツバキとツバキによく似たサザンカは庭植えの移植を行わないのがコツ。よく考えて条件の合う場所を決めたら動かさないこと!西日の当たらない場所、明るい日陰なら大丈夫。9フィートまで成長します。サザンカとツバキの違いが明確なものは少ないですが、最も明確な違いはサザンカには子房があり、新芽の葉と茎にも微毛があるということ(これは葉が開くと共になくなる)。一方、ツバキには子房、新芽共に毛がありません。多くの場合、ツバキの花が咲くのは早春で、サザンカは晩秋です。また、花の散り方は、ツバキは花ごと落ち、サザンカは花びらが一枚一枚散ります。
今回は、高さが比較的低く、剪定でコントロールできるので育てやすい、早春の訪れを告げる花木たちの紹介でした。美しい花木たちに囲まれ満喫している自分を想像しながら植え込むのは楽しい作業ですよ!Happy Gardening!
掲載:2015年3月