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第3回 冬のガーデニング (1)

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真知子・フォートさん

執筆者:真知子・フォート
2010年にワシントン州立大学のエクステンション・プログラムでマスター・ガーデナーの資格を取得。園芸相談、コミュニティガーデンの世話などボランティア活動を続けています。マスターガーデナーの資格を取得して以来、コミュニティ・ガーデンや園芸相談、コミュニティガーデンの世話などボランティア活動を続けています。また、2021年7月から自宅の庭で生け花教室を開講しています。お問い合わせは machikofa@gmail.com まで。

草月指導者連盟会員、草月シアトル支部ボードメンバー、インターナショナルイケバナシアトル支部ボードメンバー

ここ米国北西部(ノースウェスト)の冬は12月から2月まで。もう半分来ましたね!

クリスマスローズ (ヘレボルス)

11月に入って突然、華氏20度程(摂氏マイナス6度程)まで気温が下がって雪が少し降り、冷えった時期もありました。

そんな激寒にも耐え、クリスマスを越し、新年を迎えた今、美しい純白の花で我が家の寂しい冬の庭を元気にしているのは、クリスマスローズ(ヘレボルス:Helleborus)のジェイコブ・レンテン・ローズ(Jacob Lenten Rose)です。クリスマス・ローズは丈夫で寒さに強く、半日陰か陰で育てやすいので、ここパシフィック・ノースウェストにぴったり!白っぽい草色のヘルボルス・アーグテイフォリウス(H. Argutifolius)も咲き始めていますが、これは大株になるのでガーデン・オーナメントのような存在感があり、常緑なので一年中楽しめます。

冬のガーデニング

ジェイコブ・レンテン・ローズ(Jacob Lenten Rose)

また、原種のヘレボルス・デユメトラム(H. Dumetorum)も、至る所で薄い草色の花を咲かせています。蕾がぼちぼち出てきたのは、ヘルボルス・アイボリー・プリンス(Helleborus Ivory Price)。その名の通リ、ローズっぽいピンクに縁取られたアイボリーの花、ブル―グリーンの葉がきれいです。毎年2月に催されるシアトル・フラワー&ガーデンショーで5年前ぐらいに買ったもので、徐々に株分けして広がっています。他に、赤紫色交配種(Helleborus Hybridus)の蕾も出てきたので、赤紫の花が楽しみです。ヘレボルスには、早春に花開く種類もたくさんあります。玄関の大きな植木鉢に植えると華やかです!なお、寒さに強い種ではありますが、冬は必ずウッドチップや落ち葉でたっぷりマルチングして防寒してあげて下さい。

冬のガーデニング

ヘルボルス・アーグテイフォリウス(H. Argutifolius)

冬の間にできること

冬は寒さが厳しく、地面も固くなって、植物たちもお休み中となれば、ガーデナーもあまりやることなく手持無沙汰な期間。旅に出たり、ゆっくりと休養できる唯一の時でもありますが、下記のことをしておくと、後が楽なことがあります。お日様が出て、まれに暖かく感じる日があれば、風邪を引かないよう防寒対策をしてあげましょう。

冬のガーデニング

原種のヘレボルス・デユメトラム(H. Dumetorum)

1)落葉樹の整枝・剪定
冬眠に入っているリンゴなどの果樹やメープルなどの落葉樹の樹形の骨格となる枝作りや、樹形を整えるのに適した時期。剪定する前に、その木をよく観察して、どのような樹形にしたいのかをまず決める。木全体や庭をゆっくり見渡し、完成形をイメージし、剪定する枝が決まったら、太い枝から切り始めるが、まずは、不要枝の剪定で、根元から出る枝(ひこばえ、Sucker )を取り除き、枯れ枝(dead branch)を落とし、逆さ枝、絡み枝、徒長枝(長く伸びてバランスをくずしている枝)を切り、立枝、下がり枝を切り、太い枝から順に平行枝、込枝を切るという手順で終わる。(常緑樹の剪定は、暖かくなってから。3月以降が最適)

2)落葉樹の移植、植え付け
少し暖かい時間帯に行い、その後、たっぷり水を注いで根と土を密着させる。ウッドチップや落ち葉でマルチングして寒さから根を守り、後は雨に任せてOK。

3)肥料
寒肥を施す時期。堆肥などと有機質を中心とした遅効性肥料(オーガニック)を施す。気温が低い時期にゆっくりと分解して、暖かくなって庭木や花木の生育が活発になる春に肥料効果を発揮する。

4)雑草除去
偶に暖かい日があったりすると浮かれて、植物たちの様子を見ようと散策して、既に雑草の芽が一杯出ていて驚き!出来る限り、雑草取り用の鍬で手早く取り除いておくと、春になると大いに助かる。(環境汚染に繋がる化学薬品は使用しない)

5)園芸道具の手入れ
ガーデニング・バサミや刈り込みバサミなどをきれいにして、よく切れるように梳いておくのに良い時期。常時使うガーデニング・バサミは、切る度にさまざまな雑菌がつくので、植物に病気が移らないよう市販のどこでも手に入る Disinfecting Wipes で毎回拭き取ってから使用のこと。砥石は、女性なら小さいサイズのだと使いやすく、手軽なのでお薦め。

6)物置に溜まっている園芸用品の整理整頓
不要物を捨てたり、差し上げたり、機能的に働けるようにしておく。環境汚染に繋がる危険な化学薬品などの処分してくれる所は、Department of Ecology の公式サイトで見つけ持っていく。

冬のガーデニング

ジェイコブ・レンテン・ローズ(Jacob Lenten Rose)

7)園芸作業の年間計画を立てる
園芸作業は適期に行う事が肝心。忘れてしまわないよう、園芸カレンダーを作ると便利。また、病気になったり、害虫でダメになった植物たちを取り除いたフラワーベッドに何を植えようかと色々と調べられる良い機会。丈夫で手があまりかからないネイティブ・プラントなどにすると楽だが、ご近所の庭、公園の庭、ガーデン・センター、ガーデン・クラブ、インターネットも参考にすると良し。

防寒と言えば、この冬に見つけたヒート・ホールダー(Heat Holders)というソックス。中がフリース(Fleece)、羊毛のようにフワフワして温かく、常時、足裏の上から下まで全体を温かく包んでくれます!今まではウールソックスで、指先が冷たくて温まることなく惨めだったのに、何という違いでしょう!また、今の防寒用下着(thermal underwear) 薄くて動きやすく、服の下に着てもごわごわせず快活に動けるので、冬の外での活動も辛くなく、俄然、楽しくなりました!断然お薦め。Heatholders の公式サイトでもお求め可能。

2015年も、健康で色とりどりの美しい花々が咲き乱れた庭をイメージしながら、計画通リに、庭の手入れを楽しんで、自分も庭もハッピーに!

Happy New Year & Happy Winter!

掲載:2015年1月

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