執筆者:ナオミ・シェラー
兵庫県神戸市出身。1998年にシアトルへ。Guide Dogs for the Blind の盲導犬パピー育成 『Puppy Raiser』(パピー・レイザー:PR)のボランティアをライフワークにしている犬好きです。
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犬と暮らすことは、忍耐もいるけど、やっぱり楽しい!癒されます!
どんなきっかけで飼いはじめても、あなたのもとにきたワンコの生涯はあなたに託されています。その犬はあなたのもので、その命はあなたに委ねられます。
そのペット犬と楽しく暮らすための第一歩は、躾。私はガイドドッグ(盲導犬)のパピー育成ボランティアを長年しているだけで、パピー飼育の経験者ではあっても、犬の専門家や訓練士ではありません。でも自分の人生の3分の2は、犬と暮らしてきました。
ここでは、私の「やってよかった!犬の躾の簡単 TIPS」をご紹介します。
パピーの時にきっちり躾けると、成犬になってからに比べて5倍は簡単。「パピーなんだから、可愛いだけでいいのよ」はやめて、ファミリー・プロジェクトだと思って取り組みましょう。
盲導犬候補パピーに1年間に教えることは、一般ペットにもあてはまる、普通のハウスマナー。そして、正しい歩行(脚足歩行)です。
私達が使うコマンドも多くありません。
Sit, Down, Wait, Stand, Do your business, Okay, Kennel, Let’s go, Come, Go to bed
- NO は使わない。代わりに That’s enough を使う。
- 犬を連れて出入り口を通るときは、必ず人が先になる。
- パピーの場合 potty training (トイレトレーニング )は大事。
- 排泄時にコマンドなどかけてあげると、後にも役立つ。(Do your business や One, two など)クレートは、犬にとって安全な所と教えて、静かにできるようにさせる。
- 甘噛み、無駄吠え 、拾い食いをさせないこと。
- 家族が同じコマンドを使う。方針を決めたら、皆がその通りにする(テーブルから食べ物はあげない、家具にのせないなど)
- 難しい問題があるときは、専門家に。思い切ってプライベート・クラスを選んでも。
犬のトレーニング・スクールによって方針もさまざまですが、最近は、positive dog training といって、Treat(おやつ)を使うトレーニングも多くなりました。私は、treat だけに頼らず、犬が喜ぶのは飼い主から “Good dog!!” と褒められることや、その後に遊んでもらったりすることが、やはり大切かなとも思っています。
最後に 正しい歩行訓練。ドッグトレーナー・動物行動学者のシーザー・ミランが、犬の散歩王国と言われるニューヨークのセントラル・パークで、 正しい歩行をする犬の飼い主は、ほんの一握りしか見られなかったコメントしていたことがありましたが、正しい歩行は本当に難しいことです。パピーの時にこれに取り組めれば、成功率も高いです。理想は、いつも引っぱりなしで loose leash で歩くことです。
動物レスキューなどでアダプトした場合、無料のトレーニング・セッションもついてくるので、成犬の犬でも正しい訓練をすれば、素晴らしいペットになりますよ。全ては、飼い主の熱意と犬を知って理解する姿勢だと思います。
参考サイト
私のお薦め dog training school
Puppy Manners(Woodinville)
www.puppymanners.com
犬をアダプトできる良い施設
- Home Award Pet
www.homewardpet.org - Seattle Animal Shelter
www.seattle.gov/animalshelter/ - Seattle Humane Society
www.seattlehumane.org - Motley Zoo Rescue Group
motleyzoo.org - Paws
私が所属するガイドドッグ協会
Guide Dogs for the Blind
www.guidedogs.com
掲載:2014年5月