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2025年5月7日から:アメリカ国内線搭乗・連邦施設訪問に必要なREAL IDとは? 永住者や旅行者も対象に

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2025年5月7日から、アメリカ国内の空港で国内線に搭乗する際や、連邦政府関連の建物を訪れる際には、「REAL ID(リアルID)法」に準拠した運転免許証または身分証明書の提示が義務づけられます。これは、テロ対策の一環として導入される連邦法で、アメリカ市民に限らず、永住権保持者や外国人観光客などの外国籍の人も対象です。通常の運転免許証では搭乗できなくなるため、早めの準備が必要です。

この記事では、REAL ID法の概要や、対象となる身分証明書の種類、そして国内旅行や施設訪問に必要な書類について、わかりやすく解説します。

目次

REAL ID 法とは

REAL ID 法は、州が発行する運転免許証や身分証明書に対して最低限のセキュリティ基準を定めるものです。

  • この法律により、2025年5月7日以降、18歳以上の人が米国の国内線の飛行機を利用する際や特定の連邦施設を訪問する際には、REAL ID法に準拠した書類が必要となります。
  • 全米50州、首都ワシントンD.C.、および5つの領土は REAL ID 法に準拠しており、REAL ID に準拠した運転免許証と身分証明書を発行しています。
  • REAL ID 法は、9/11米国同時テロ攻撃の後に発案されました。2005年に法制化された後、導入はたびたび延期されてきましたが、いよいよ2025年5月7日に施行されます。

「REAL ID 法に準拠した運転免許証」は、英語で “REAL ID-compliant driver’s license” といいます。また、「REAL ID 法に準拠した身分証明書」は英語で “REAL ID-compliant identification”、または “REAL ID-compliant card” といいます。名前が長いので、日常ではまとめて “REAL ID” とだけ言うことが多いです。

18歳未満の場合

TSA(アメリカ運輸保安局)は、18歳未満の子どもに対して、アメリカで国内線の飛行機に乗る際に身分証明書の提示を求めていません。18歳未満の子どもの身分証明書の要件については、ご利用の航空会社に直接お問い合わせください

18歳以上の米国市民の場合

REAL ID 法に準拠した身分証明書が必要

18歳以上の米国市民の場合、米国の国内線の飛行機を利用する際や特定の連邦施設を訪問する際には、REAL ID法に準拠した身分証明書が必要です。これには、次の身分証明書が含まれます。このリストは変更する可能性があるので、アメリカで国内線の飛行機に乗る予定ができた場合、必ずご確認ください。

  • Real ID
  • State-issued Enhanced Driver License(州発行の強化運転免許証)
  • State-issued Enhanced Identification(州発行の強化身分証明書)
  • U.S. passport
  • U.S. passport card
  • DHS trusted traveler cards(Global Entry、NEXUS、SENTRI、FAST)
  • U.S. Department of Defense ID, including IDs issued to dependents
  • Border crossing card
  • An acceptable photo ID issued by a federally recognized Tribal Nation/Indian Tribe, including Enhanced Tribal Cards (ETCs).
  • HSPD-12 PIV card
  • U.S. Citizenship and Immigration Services Employment Authorization Card (I-766)
  • U.S. Merchant Mariner Credential
  • Veteran Health Identification Card (VHIC)

REAL ID の基準を満たすその他の書類については運輸保安庁(TSA)の公式サイトをご覧ください。

REAL ID の特徴

REAL ID は、上部に下記のいずれかのマークが印刷されています。

REAL ID に印刷されているマーク

これらのマークは、標準の州発行の運転免許証と身分証明書には印刷されていません。つまり、標準の州発行の運転免許証と身分証明書は REAL ID に準拠していないことになるため、アメリカでの国内線への搭乗や連邦政府施設への入場に必要な身分証明書として受け付けてもらえません。その他のサンプルはこちらでご覧ください

強化運転免許証(EDL)または強化身分証明書(EID)を REAL ID として発行する州

全米の州の中には、REAL ID として、強化運転免許証(Enhanced Driver License:EDL)と強化身分証明書(Enhanced Identification:EID)を発行する州もあります。

自分が住む州または米国領の免許局での手続きについて、国土安全保障省の公式サイトにあるインタラクティブな地図でご覧ください。

ワシントン州の場合

ワシントン州も、REAL ID として、強化運転免許証(Enhanced Driver License:EDL)と強化身分証明書(Enhanced Identification:EID)を発行する州の一つです。ワシントン州発行の EDL と EID には、前述の星や熊ではなく、米国の国旗が印刷されています。

EDL と EID のメリットは、REAL IDの連邦要件を満たし、かつ、米国、カナダ、メキシコ、バミューダ、カリブ海間の陸上および海上国境での米国再入国の際に、パスポートやパスポートカードの代わりとして認められていることです。

ワシントン州で EDL または EID を発行してもらうには

ワシントン州で EDL または EID を発行してもらうには、社会保障番号、市民権の証明、身元の証明、およびワシントン州の居住証明を提供する必要があります。

米国市民ではない場合

米国永住権保持者も含め、米国市民でない人も、米国の国内線の飛行機を利用する際や特定の連邦施設を訪問する際は、REAL ID法に準拠した身分証明書が必要です。

REL ID 法に準拠した書類

REAL ID 法に準拠した書類は、REAL ID 以外に、次のものがあります。これには、次の身分証明書が含まれます。このリストは変更する可能性があるので、アメリカで国内線の飛行機に乗る予定ができた場合、必ずご確認ください。

  • DHS trusted traveler cards(Global Entry、NEXUS、SENTRI、FAST)
  • U.S. Department of Defense ID, including IDs issued to dependents
  • Permanent resident card(米国永住権カード)
  • Foreign government-issued passport(外国政府発行のパスポート)
  • Canadian provincial driver’s license(カナダの運転免許証)
  • Indian and Northern Affairs Canada card(カナダのインディアン&ノーザン・アフェアズ・カナダ・カード)

REAL ID の基準を満たすその他の書類については運輸保安庁(TSA)の公式サイトをご覧ください。

ワシントン州は今後も州民が運転や身分証明に使用できる標準の運転免許証やIDカード(enhanced ではない、standard driver licenses and ID cards)を発行しますが、2025年5月7日以降は米国の国内線の搭乗時に身分証明書としては使用できません。

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