シアトルでは、秋の終わりから冬にかけての長く暗い季節を “The Big Dark(ザ・ビッグ・ダーク)” と呼ぶローカルな言い回しがあります。
この言葉は、太陽の光が少なく、空が分厚い雲に覆われた暗い日が続くシーズンを、ちょっとしたユーモアを込めて表現したものです。単なる天候の説明ではなく、シアトルの人々の冬の暮らしを象徴する文化的なフレーズでもあります。
秋冬は日照時間が短い、暗い季節

秋の終わり頃から日が急速に短くなり、雨や曇りの日も増えるため、まだ暗いうちに出勤・通学して、暗くなってから帰宅するという生活が一般的になります。
晴れた日や雨が降っていない時は意識して外に出るようにしなければ、ずっと暗い中にいる感じが続きかねません。
特に冬至には、日の出は午前7時17分、日の入りは午後4時17分と、明るい時間帯がとても限られます。
なので、午後9時過ぎまで明るい夏との違いがとても大きく、この気候の変化を一言で表すのに『The Big Dark』という言葉がぴったりなのです。
季節性情動障害(SAD)と光の少なさ
そんな季節によく話題になることに、季節性情動障害(Seasonal Affective Disorder)(SAD)があります。これは秋から冬にかけて発症しやすい、うつ(depression)の一種。UW Medicine によると、日照時間の短さと太陽光不足が脳内の神経伝達物質に影響を与えるとされており、さらに睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌量が増えることで、気分の落ち込みや倦怠感が起こることがあります。
主な症状は以下の通りです:
- 倦怠感・エネルギーの低下
- 睡眠時間の増加
- 社交的な活動の減少
- 食欲や気分の変動
SADは20歳未満では比較的まれですが、年齢とともにリスクが高まり、女性は男性よりも影響を受けやすいとされています。また、この地域では約10%の人々がSADを経験していると報告されています。
対策と治療法
SADの対策としては、以下の方法が効果的とされています:
- 光療法(light therapy):朝に明るい光を浴びて体内時計を整えるか、ライトセラピー用の照明(Amazon.com のアフィリエイトリンクが開きます)を購入して使用する
- 心理療法(psychotherapy)
- 抗うつ薬(antidepressants)の処方
SADの症状は他の精神的な疾患と似ている場合もあるため、気分の不調を感じた場合は医療機関に早めに相談することが重要です。
日常生活でできるセルフケア
暗い季節でも、日常生活の工夫で気分の落ち込みを軽減することができます。
- 朝はカーテンを開けて自然光を取り入れる
- 雨の日でもできるだけ外に出て軽い運動をする
- 睡眠リズムを一定に保つ
- 友人や家族と定期的に交流する
ちょっとした意識の積み重ねが、長い暗い季節を乗り越える力になります。
まとめ
『The Big Dark』は、シアトルの人々が秋冬の長く暗い季節をユーモアを交えて表現するローカルな言葉です。日照時間の短さは気分に影響を与えることもありますが、光の活用や生活リズムの調整、必要なサポートを受けることで対策が可能です。

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