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シアトルのネイバーフッド(エリア案内):フリーモント(Fremont)

ダウンタウンから北へ約5キロ、バラードとウォーリングフォードの中間にあるフリーモントは、ユニークなショップ、カフェ、レストランが軒を並べる小さなネイバーフッド。もともとアーティストが多く住んでいた地域で、「Center of Universe」(宇宙の中心)と書かれた標識やユニークな看板、巨大なロケットやトロルなどのパブリック・アートがあちこちに掲げられた、遊び心の残るエリアとして知られています。

1880年代にこの土地にやって来たネブラスカのフリーモント出身のルーサー・グリフィス氏とE.ブレウィット氏が故郷の名前にちなんでフリーモントと命名したのが、そもそもの始まり。初期には材木や鉄鋼業の工場が現在のレイク・ユニオン北部に集中して建設されました。両氏は1888年に歯医者で起業家のドクター・キルボーン氏と組んで土地開発に着手し、中国人の労働者を雇ってレイク・ユニオンからサーモン・ベイへ流れ込む水路の幅を拡張しようとしましたが、結局は路面電車が開通したことが好影響を及ぼし、さらにチッテンデン水門やオーロラ・ブリッジなどに代表される橋の開通などで、フリーモントはますます発展していきました。

その発展ぶりのわりに土地が安かった頃はアーティストや学生達が多く住んでいましたが、1990年代後半からフリーモント・ブリッジ周辺に数々のオフィスやショップ、バー、カフェ、レストランが進出し、ちょっとしたショッピングやナイトライフも楽しめるようになって雰囲気が変わりました。

Fremont Troll

それでも、フリーモントならではの地元アーティストによるパブリック・アートは健在です。代表格は、あのニルヴァーナのカーク・コバーンが夜を明かしたと言われるトロール。片手で VW のビートルを握りつぶすこの作品は、子供から大人にまで大人気。観光シーズンともなると、写真撮影をする人たちでにぎわいます。

また、高さ5メートルほどの銀色のロケットも人気のある作品のひとつで、道端の看板の説明によると、これも宇宙の中心。備え付けの箱に50セントを入れれば、ピカピカとライトが点滅します。

Waiting for the Interurbanインターアーバンを待つ

ローカルたちに最も愛されているのは、『Waiting for the Interurban』(インターアーバンを待つ: 1978年 Richard Beyer 作)という石像でしょう。路面電車インターアーバンを待っている老若男女と犬を石を彫って作ったもので、これをいつも誰かが飾りつけしています。ある夏の日はビーチにでも行くのか、ボートを持ってショーツやTシャツを着ていたり、ある日は誰かの誕生日を祝うメッセージが書かれた垂れ幕があったり、ある冬の日はセーターを着せられていたり。特にこれといったルールはないそうなので、誰かの誕生日にこの石像に飾り付けをしてびっくりさせてあげるのもいいかもしれません。

外食では、和食・タイ料理・インド料理・ギリシャ料理・キューバ料理・トルコ料理など、さまざまな国の味が楽しめるレストランやカフェなどが揃っています。軽く済ませたいなら、ローカルのスーパーマーケット 『PCC』 がおすすめ。サンドイッチやサラダ、ジュースなどがあるので、買い込んでピクニックをするのもおすすめです。

フリーモントはユニークなイベントが行われることでも知られています。毎週日曜に開催される蚤の市 『Fremont Sunday Flea Market』(フリーモント・サンデー・フリー・マーケット)、夏至のあたりに開催されるソルスティス・パレード、秋に開催されるビール祭りなど、ローカルと一緒に楽しみましょう。

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