シアトルのダウンタウンのすぐ北西にあるスペース・ニードルのふもとから始まる丘は、クイーン・アンと呼ばれる地域です。
標高456フィート(139m)の丘は、シアトルの「7つの丘」では最も標高が高く、そのふもとは Lower Queen Anne(ローワー・クイーン・アン)、丘の上は Upper Queen Anne(アッパー・クイーン・アン)と呼ばれます。
目抜きどおりの Queen Anne Avenue や Mercer Street にはいろいろなレストランやカフェ、クラブ、バー、スーパーマーケット、劇場があり、小さいながらも便利な地域となっています。
クイーン・アンの歴史
Historylink.org によると、1851年に白人のデニー夫妻ら一行がウエスト・シアトルに入植してシアトルの開発が始まりましたが、今はクイーン・アンと呼ばれるこの地域もネイティブ・アメリカンのドゥワミッシュ族の土地だったところに、少しずつ入植者が住み始めました。
そして、1875年の嵐でたくさんの木が倒れたことがきっかけで、住宅地としての開発が始まったそうです。
「クイーン・アン」という名前は、クイーン・アン様式の家が多く建設されたため、1885年までに定着したとされています。
緑の多いクイーン・アンには、24の公園があります。
特に有名な公園は、ダウンタウン、エリオット湾、ウエスト・シアトル、マウント・レーニアを一度に眺められるアッパー・クイーン・アンのケリー・パーク。よく晴れた日には、たくさんの人が記念写真を撮影しに訪れます。
シアトル・センターの完成
1950年代に入り、シアトルが世界博覧会 『Century 21 Exposition』 の開催地に決定すると、世界博覧会委員会のエディ・カールソン委員長が空中レストランを発案したことが、シアトル・センターの中心となるスペース・ニードルの建設のきっかけとなったことは有名な話。
5人の投資家が集まり、約184メートル(605フィート)ものスペース・ニードルを1年もたたないうちに建設し、1962年3月24日にオープンしました。
ちなみに、カールソン氏は建築家である会員数名にスケッチを送り、建築家達が興味を示したため、キング郡に出資を依頼しましたが、キング郡は出資を拒否したそうです。
スペースニードルは2017年9月から大規模な改築工事を行い、2018年8月3日に世界初のガラスの床の回転展望台をオープンしました。
世界博覧会の後、シアトル・センターはさまざまなイベントの会場・博物館・劇場・競技場の集まる多目的施設として、現在も利用されています。