シアトル・センター(Seattle Center)は、ダウンタウンの北に位置する文化・観光・レクリエーションの複合施設です。
1962年に開催された「21世紀万国博覧会(Century 21 Exposition)」の跡地として整備されたもので、現在もスペースニードルをはじめとするランドマークやアリーナ、美術館、劇場、公園が点在し、年間を通して数多くのイベントが開催されるシアトルの文化的中心地となっています。
モノレールでダウンタウンと直結しており、アクセスも抜群。観光客にとっても地元住民にとっても、シアトルを象徴するスポットのひとつです。
1962年の万博が生んだ都市の未来像
シアトル・センターの歴史は、冷戦期の技術革新と未来志向を反映した1962年の世界博覧会に端を発します。この万博のテーマは「21世紀の生活」。宇宙開発や新技術の進歩を象徴する建築物として建設されたのが、現在も人気の観光スポットであるスペースニードル(Space Needle)です。
また、科学や文化をテーマとする施設も数多く建てられ、博覧会終了後はそれらの施設が保存・活用され、市民のための文化複合エリア「シアトル・センター」へと生まれ変わりました。市が管理する公園・施設として整備が進められ、現在では年間1,000万人以上が訪れます。
シアトル・センターの主な見どころと施設一覧
広大な敷地内には、観光・学習・体験が一体となった施設が充実しています。訪れる際には以下の見どころを押さえておくとよいでしょう。
スペースニードル(Space Needle)

上部が円盤のような形のスペースニードルは、高さ184メートル。地上520フィート(約158m)のところは世界唯一のガラスの回転展望台があり、マウント・レーニア、ダウンタウンの高層ビル群、エリオット湾、オリンピック半島などが一望できます。展望台の下には展望レストランやバーもあります。

チフーリ・ガーデン・アンド・グラス(Chihuly Garden and Glass)

ガラスアーティスト、デイル・チフーリによる色鮮やかで幻想的な作品が屋内外に展示されています。夜はライトアップされ、ロマンチックな雰囲気に包まれます。

クライメット・プレッジ・アリーナ(Climate Pledge Arena)

シアトル・センターの中心施設の一つがこのClimate Pledge Arena。2021年に再開業したこのアリーナは、環境に配慮した設計が特徴で、世界初のカーボン・ゼロ・アリーナを目指しています。シアトル・クラーケン(NHL)、シアトル・ストーム(WNBA)の本拠地であり、音楽ライブや国際的なイベントも多数開催されます。最大1万7,000人を収容でき、アマゾンが命名権を取得したことでも注目されました。コンサートやスポーツ観戦目的で訪れる観光客も多く、イベントスケジュールは事前チェックがおすすめです。

MoPOP(Museum of Pop Culture)

音楽、映画、ゲーム、サイエンスフィクションなどポップカルチャーに特化した博物館。ジミ・ヘンドリックスやニルヴァーナの展示など、音楽好きにも必見です。
パシフィック・サイエンス・センター(Pacific Science Center)

子どもから大人まで楽しめる科学体験施設。プラネタリウム、バタフライハウス、インタラクティブな展示など、好奇心を刺激するアクティビティが満載です。
マッコー・ホール

約10年の歳月と1億2,700万ドルをかけて改築され、2003年6月にオープンしたパフォーマンス・ホール。シアトル・オペラやパシフィック・ノースウェスト・バレエをはじめ、さまざまな公演が行われています。
インターナショナル・ファウンテン
「21世紀万国博覧会(Century 21 Exposition)」の開催を記念して設置され、1995年に650万ドルをかけて改築された噴水。夏場は噴水の水を浴びて楽しむ人たちでにぎわいます。
SIFF フィルム・センター
毎年5月にシアトル国際映画祭(Seattle International Film Festival: SIFF)を主催する 『SIFF(シフ)』 のフィルム・センター。年間を通じて、さまざまな作品が上映されています。
シアトル・チルドレンズ・ミュージアム
0〜10歳の子ども向けに設計された体験型の博物館。天候に関係なく楽しめる屋内施設で、買い物ごっこができる「マーケット」、異文化体験ができる「グローバル・ビレッジ」など、遊びながら学べる展示が充実しています。同じ建物の2階はフードコートやカフェがあります。
シアトル・チルドレンズ・シアター
子供向けのミュージカルやドラマの公演を行うシアター。家族向けの劇場としては西海岸では最大の規模を誇ります。子供に人気の高いお話が劇になったものなど、家族で楽しめるプログラムがいっぱい。公演の詳細は公式サイトで。
ミューラル・アンフィシアター
夏にはコンサートや映画上映が行われる屋外劇場。
ポタリー・ノースウェスト
1966年にオープンした陶器のギャラリー。クラスも開催しています。
Artists at Play

無料の遊び場。総面積1.2エーカー(1,400坪)のオープンスペースに、ノースウエストを拠点に活躍するアーティストたちが音と動きを重視してデザインしたカラフルな遊具が揃います。詳細はこちら。
Skate Park
10,000平方フィートのスケート・パーク。さまざまなレベルの人が利用できます。
桜まつりをはじめ、年間イベントも充実
シアトル・センターでは、多文化共生を体現するような国際色豊かなイベントが通年で開催されています。
『Festál』- 先住民文化と移民文化を祝う祭典
シアトル・センターで人気の文化フェスティバルシリーズ。毎年春には、日米友好を祝う伝統的な日本文化イベント『桜まつり』が開催されます。浴衣の試着体験、和太鼓や生け花の実演、寿司や和菓子の販売など、家族連れにも大人気です。

Bumbershoot(バンバーシュート)
レーバーデー(9月第1月曜)を中心に行われる音楽・アート・シアター・文学などを融合した総合フェスティバル。ローカルから国際的なアーティストまで幅広い出演者が魅力です。
Winterfest
11月下旬から年末にかけて行われる冬の祭典。イルミネーションやホリデーマーケット、子ども向けのパフォーマンスなど、寒い季節でも人々の心を温めてくれるイベントです。
シアトル観光の出発点としてもおすすめ
午前中にスペースニードルとチフーリ・ガラス・アンド・ガーデンを訪れた後、モノレールでダウンタウンへ移動し、パイク・プレイス・マーケットで食事して買い物を楽しみ、2024年10月に完成した遊歩道オーバールック・ウォークでウォーターフロントまで足を伸ばすという観光プランもおすすめです。
また、幼いお子さんにはシアトル・チルドレンズ・ミュージアム、女子バスケットボールやアイスホッケーのファンならクライメット・プレッジ・アリーナでの観戦、科学好きならパシフィック・サイエンス・センターなどもおすすめです
シアトル・センターに車で行く場合は、路上駐車(有料)や有料駐車場を利用することになります。イベントなどが開催されている場合は、イベント・パーキングとして駐車料金が割高になります。