全米の世帯収入の中央値 2023年は4%増の80,610ドル 男女の賃金格差が拡大
今月発表された国勢調査の American Community Survey のデータで、2023年の全米の実質的な世帯収入の中央値(real median household income)は2022年の77,540ドルから4.0%増加して80,610ドルとなったことがわかりました。実質的な世帯収入が統計的に大きな年間増加を記録したのは2019年以来初めて。人種別に見ると、2022年から2023年の間に増加が見られたのは、白人世帯で5.4%、非ヒスパニック白人世帯で5.7%でした。黒人、アジア人、ヒスパニック世帯の世帯収入には大きな変化は見られませんでした。フルタイムで年間働く男性の実質的な収入の中央値は3.0%増、女性は1.5%増となっています。
2023年にフルタイムで年間働いた女性が得た収入は、男性の同僚が得た収入の平均82.7%でした。2022年には女性が男性の収入の84.0%を得ていたことから、2003年以来初めて男女の賃金格差が再び大きく開いたことになります。
シアトルの世帯収入の中央値 2023年は過去最高の120,600ドル
国勢調査局が今月発表した American Community Survey のデータで、シアトルの約365,000世帯の収入の中央値は約120,600ドルであることがわかりました。シアトル・タイムズによると、2023年のシアトルの約75,000世帯の年収は50,000ドル〜99,999ドルの範囲でしたが、シアトルでは約106,000世帯が200,000ドル以上の収入を得ていました。アメリカの50の主要都市の中で年収200,000ドル以上の世帯数が年収50,000ドル〜99,999ドルの世帯数を上回っているのは、シアトルのほかに、ボストン、サンフランシスコ、カリフォルニア州サンノゼ、ワシントンD.C.の4都市のみ。2022年のシアトルの世帯収入の中央値は約115,000ドルで、2023年はこれをさらに上回る過去最高に達したことになります。
シアトル市 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 |
世帯数 | 344,629世帯 | 351,650世帯 | 367,119世帯 | 364,627世帯 |
世帯収入の中央値 | 97,185ドル | 110,781ドル | 115,409ドル | 120,608ドル |
シアトルでリモートワーカーが大幅に減少
COVID-19のパンデミックによってリモートワークが急激に拡大しましたが、今月国勢調査局が発表した American Community Survey のデータで、シアトル市民で主にリモートワークで働いていた人は、2022年の推定16万5,000人(36%)から、昨年は約13万3,000人(28.5%)となったことがわかりました。
シアトル市 | 2019 | 2021 | 2022 | 2023 |
16歳以上の労働者 | 461,488人 | 438,588人 | 458,681人 | 466,374人 |
リモートワーク | 36,349人 | 205,297人 | 165,175人 | 132,724人 |
パンデミック前の2019年にリモートワークをしていたのはわずか8%にあたる約36,000人だったことと比べると、まだまだリモートワークの労働者が占める割合は大きいことがわかりますが、シアトル・タイムズは、「この現象に、シアトル最大の雇用主であるアマゾンが大きく影響したことは間違いない」と解説しています。同社は2023年5月から従業員に対し、週に最低3日のオフィス勤務を義務付けました。さらに、今月になって、来年1月から週5日のオフィス勤務を求める方針を発表しました。
マリナーズ、プレーオフ進出の可能性が消滅
26日にカンザスシティ・ロイヤルズとデトロイト・タイガースがそれぞれの試合に勝利を収めたことで、シアトル・マリナーズがプレーオフに進出する可能性が消滅しました。マリナーズは2022年にワイルドカード枠でプレーオフ進出を果たしたものの、その後の2シーズンでは進出を逃しています。マリナーズがプレーオフに進出したのは1995年、1997年、2000年、2001年、2022年の5回のみ。今シーズンは、特に6月19日時点で44勝31敗とアメリカン・リーグ西地区首位を10ゲーム差で独走していたこともあり期待が高まりましたが、その後に戦績が低迷し、途中で監督を交代しています。
連邦政府、COVID-19検査キットの無料配布を再開
自宅で簡単に使えるCOVID-19検査キットを使うと、感染しているかどうかを確認でき、次のステップを決めることができます。早めの対応で重症化を防ぎ、周りの人への感染も防ぎましょう。連邦政府が配布するCOVID家庭用検査キットは、今回も完全に無料。送料もかかりません。詳細は次の記事でご覧ください。
スターバックス、シアトルで少なくとも4店舗を閉店
スターバックス(本社:シアトル)が、ダウンタウンで少なくとも4店舗を閉店していることがわかりました。今年7月にはパイク・プレース・マーケットのすぐ外にある 1st Avenue と Pike Street の角の店舗が閉店し(再オープンの予定は発表されていません)、8月にはウエスト・シアトルのアルカイ・ビーチの店舗も閉店しました。ユニバーシティ・ビレッジの店舗はリノベーションのため一時閉店となっています。また、シアトル・タイムズによると、5th Avenue と Pike Street の角にある店舗も来週には閉店する予定で、理由は明らかにされていません。同紙は、「2022年に治安問題を理由に複数の店舗を閉店した際は、シアトルを拠点とする全国労働関係委員会の地域ディレクターが昨年、スターバックスが労働組合の組織化を理由に店舗を閉鎖したとして訴えを提起し、同社に店舗を再開するよう求めた」と報じています。
ベルビュー美術館がイベントスペースとして再オープン ホリデーシーズンにアートフェアも開催
財政難により今月突然閉館となったベルビュー美術館が、プライベート・イベントとして再オープンし、ホリデー・アートフェアを開催することを発表しました。ホリデー・パーティー、結婚式、企業イベントの会場としてレンタルすることができます。なお、現時点では、展示の一般公開は再開されていません。11月から12月のホリデー・シーズンにはアートフェアが開催されます。詳細は下記の記事でご覧ください。
アジア系アメリカ人などの約5人に2人が、反アジア的な事件の被害に
Asian American Foundation が最近行った調査で、過去12ヶ月間にシアトル在住のアジア系アメリカ人、ハワイ先住民、太平洋諸島系住民(AANHPI)の約5人に2人が反アジア的な事件の被害に遭い、約5人に3人が公共の場で安全だと感じていないとことがわかりました。
ポール・G・アレン・ファミリー財団、シアトル中心部の芸術団体に総額約950万ドルを寄付
ポール・G・アレン・ファミリー財団は24日、ダウンタウンの8つの芸術および文化団体に対し、プログラム運営、施設の改修、スタッフ増員のために、総額約950万ドルを寄付することを発表しました。シアトル・タイムズによると、これはシアトルの芸術を広く支援すると同時に、シアトルの芸術界の仕事の3分の2と住民の10%が集まるダウンタウン全体の活性化を図るための取り組みの一環です。ウォーターフロントの活性化に取り組んでいる非営利団体のフレンズ・オブ・ウォーターフロント・パークには、最大の500万ドルが文化プログラムのために提供されます。そのほかには、非営利団体 Shunpike、シアトル美術館、シアトル交響楽団、そして故ポール・アレン氏にゆかりのある映画館シネラマを買収したシアトル国際映画祭、チャイナタウン/インターナショナル・ディストリクトのシアター・オフ・ジャクソンやベルタウンのベース・キャンプ・スタジオとコモン・エリア・メンテナンスのような小規模クリエイティブ・ハブも寄付の対象となっています。詳細は同財団の公式サイトでご覧ください。
Climate Pledge Arena 利用客に手数料3%を開示せずに請求
シアトルにある多目的アリーナの Climate Pledge Arena が、2023年2月27日から7月22日まで利用客に飲食物の購入に3%の手数料を追加することを開示していなかったとして約50万ドルの罰金の支払いを命じられたと、KING 5が報じました。ワシントン州消費者保護法では利用客が支払う前に手数料を開示することが義務付けられています。同アリーナは、利用客への手数料の全額返金と、これによる不便や金銭的損失に対する補償として10ドルの支払いなどが求められます。
ボーイング、機械工組合への新たな労働契約案を提案
ボーイングは23日、ストライキが11日目に入った機械工組合に対し、平均年収を大幅に引き上げる新たな契約を提案したと、アメリカの主要メディアが報じました。CNN などによると、午前9時過ぎに電話で機械工組合の交渉チームに伝えられた新しい提案は平均年収の30%引き上げなどを含み、オンラインで公開されています。ボーイングによると、新しい提案では、機械工の平均年収が現在の75,608ドルから、4年後には111,155ドルに引き上げられるとのことです。
Climate Commitment Act(気候コミットメント法)とイニシアチブ2117
ワシントン州では2021年に Climate Commitment Act(気候コミットメント法)が可決され、2023年に施行されました。これは、州内の温室効果ガス排出量を抑制するための規制と企業が排出権を購入するオークション制度を導入することにより、最終的には温室効果ガスの大幅な削減を目指し、公共交通機関網の拡充などの資金を生み出す仕組みです。ワシントン州のジェイ・インスリー州知事はこれを全面的に支持していますが、反対派はガソリン価格の上昇や経済への負担を生み出していると主張し、この法律を撤廃することを目的とするイニシアチブ2117を提出し、今年11月の一般選挙で有権者投票にかけるために必要な署名を集めました。ワシントン州では郵便投票が主な形式となっているため、投票日の11月5日から数日後まで票の集計が続く可能性があります。選挙結果は州内外で注目されており、今回の投票結果は大きな影響を及ぼすことが予想されます。シアトル・タイムズによると、最新の世論調査では、有権者の間でこの問題に対する意見が分かれており、約4分の1の有権者がまだ態度を決めかねているとされています。
carjacking(カージャッキング)に注意!
ワシントン州警備隊が、carjacking(カージャッキング)について注意を呼びかけています。「カージャッキング」とは、犯罪者がドライバーや乗客を武器で脅したり危害を加えたりして、車両や所持品を奪う犯罪行為を指します。一般道だけでなく、高速道路でも起きます。9月15日の早朝にフェデラル・ウェイで起きた事件では、高速道路 I-5南行きの出口付近で被害者の車が白いSUVに後ろから軽く衝突され、路肩に停止したところ、スキーマスクをつけた3人の容疑者がSUVから降りて被害者に拳銃を突きつけ、携帯電話や財布、車を奪って逃走しました。容疑者は若い黒人で、10代の可能性もあるとのことです。また、17日午前0時過ぎ、ファイフ市で、白いSUVに後ろから衝突された被害者が路肩に停車したところ、6〜7人の容疑者に殴られ、車と携帯電話を奪われました。しかし、容疑者が被害者の携帯電話を窓から投げ捨てたため、被害者は自分の車をフェデラル・ウェイまで追跡することができ、警察は一人の男を逮捕、女2人を家族に引き渡しています。同日午前1時過ぎ、同市内で別のドライバーが白いSUVに衝突され、銃を突きつけられ所持品を奪われました。その後、被害者のクレジットカードがマクドナルドで使用されようとしたことから、店舗マネジャーは容疑者が乗っていた車が盗難車であると特定できる情報を提供することができました。ワシントン州警備隊は事件解決のための情報提供を求めています。また、白いSUVとの衝突事故に巻き込まれた場合は、すぐに911に通報し、安全な場所に移動すること、不審な状況であれば素早くその場を離れ、加害者と接触しないよう呼びかけています。
シアトル・タイムズによると、カージャッキングは全米で増加しています。司法省が先月発表した報告書によると、2019年の7,626件から2022年は19,258件まで増加しました。シアトルでは、2020年は39件でしたが、昨年は114件に増加し、今年はすでに66件が報告されています。また、そのうち46件で武器が使用されたことがわかっています。
シアトルのハレル市長、財政赤字2億5千万ドルの解消計画を発表
シアトル市の2024年の財政赤字2億5千万ドルは、COVID-19パンデミックの間に税収が減少したことやインフレが市のサービスを維持することを増加させていること、そして連邦政府からのCOVID救済資金が終了したことでホームレス支援やクリーンシティ・イニシアチブなど、当初は連邦政府の支援で賄われていたプログラムが市の一般財源に依存していることなど、複数の要因が絡み合って悪化していると指摘されています。また、市は「ジャンプスタート給与税」(JumpStart Payroll Expense Tax)に依存していますが、2025年のには5億2千万ドルが見込まれていますが、その大部分は、手頃な価格の住宅や経済再生、新しい環境対策のために使われることになっています。そこで、シアトル市長のブルース・ハレル氏は、「手頃な価格の住宅」に割り当てられた「ジャンプスタート給与税」の税収の一部を転用し、約160の雇用を削減する計画を発表しました。これにより、1.9億ドルの一般財源の中で2億5100万ドルの赤字を解消し、公共安全などの新たな優先事項に約1億ドルを充てる予定です。シアトル・タイムズは「この計画はビジネスリーダーからは支持されていますが、労働組合や進歩的な擁護団体からは疑問視されており、今後の数カ月間、シアトル市議会による検討と修正が行われる中で、これらの団体がロビー活動を展開する見通し」と報じています。
丸亀製麺 USA、ワシントン州1号店をサウスセンターに開店
讃岐うどんと天ぷらで人気のファストフード『丸亀製麺』(まるがめうどん)が、シアトル・タコマ国際空港からすぐのタクウィラ市にあるウエストフィールド・サウスセンター・モールに開店しました。現在、カリフォルニア州に13店舗、テキサス州に1店舗、ハワイ州に2店舗を展開していますが、ワシントン州はこれが1号店になります。ロケーションは、開店したばかりの Gen Korean BBQ House の隣です。
9月は婦人科がん啓発月間
9月は婦人科がん啓発月間。英語では Gynecological Cancer Awareness Month といいます。CDC(疾病予防管理センター)によると、婦人科がん(gynecological cancer)とは、卵巣、子宮および子宮内膜、子宮頸部、膣、外陰部といった女性の生殖器系に影響を与えるすべてのがんを指します。2023年にアメリカで記録された婦人科がんの件数は、推定114,810件でした。婦人科がんの主な5種類は、次のとおりです。
- 子宮頸がん cervical cancer
- 卵巣がん ovarian cancer
- 子宮体がん uterine cancer
- 膣がん vaginal cancer
- 外陰がん vulvar cancer
婦人科がんの第6の種類として、非常に稀な卵管がん(fallopian tube cancer)も含まれます。婦人科がんの治療法にはさまざまな方法があり、治療はがんの種類や進行度によって異なります。早期発見がより良い治療結果につながるため、可能な限り定期的な検診(screening)が非常に重要です。検診については、かかりつけ医に相談してください。
高速道路 I-5で発砲 数時間にわたり全車線が通行止め
9月22日(日)午後1時5分ごろ、エベレット市南部で銃撃事件が発生し、逃走した容疑者を警察が追跡するため、高速道路 i-5の北行きが約8時間にわたり閉鎖されました。エベレット警察によると、銃声があったとの通報を受けて出動したところ、男性1名が死亡、女性1名が負傷しているのを発見したため、目撃者情報をもとに容疑者の男と逃走に使った車両を特定し、北行きのI-5に進入した容疑者を追跡しました。容疑者はマイルポスト190付近で衝突して停車し、容疑者の車両から銃声が聞こえた後、警察は容疑者が死亡しているのを確認したとのことです。I-5の北行きと南行きは一時的に閉鎖され、南行きはすぐに再開されましたが、I-5北行きは調査のため一部車線の閉鎖が午後9時過ぎまで続きました。負傷した女性は病院に搬送されました。