ワシントン州は11日、4段階で経済活動を再開する「セーフスタート(Safe Start)」計画のフェーズ2の開始を Columbia、Garfield、Lincoln、Ferry、Pend Oreille、Stevens、Wahkiakum、Skamania の8郡に許可すると発表しました。
ワシントン州の面積は日本の国土の約半分で、州内には39の郡があります。これら8郡は人口75,000人未満で、過去3週間にCOVID-19の新規感染者が確認されていないことがフェーズ2に移行する許可につながりました。
経済活動再開のフェーズ2で許可される主な事柄
- ハイリスクの人は自宅待機を継続
- 1週間あたり5人以下であれば同居していない人との集まり
- キャンプを含むすべてのアウトドアのレクリエーション
- 不要不急の旅行は近所のみに制限
- 感染防止対策を講じた新規の建設工事、小売営業の再開
- レストランは稼働率50%、5人以上のテーブルを使用しない形での営業再開
- ヘアサロン、ネイルサロン、理髪店の営業再開
- 製造業、営業再開
- ハウスクリーニングやナニーなどの民家でのサービス
- 不動産業
- 企業のオフィス勤務 ※在宅勤務を引き続き強く奨励
- グルーミングなどのペットケアサービス
一方、シアトルのあるキング郡は州内最多の人口を抱え(約220万人)、依然として州内最多の感染者・死者を記録しています。キング郡政府は、新型コロナウイルスの感染拡大を抑制するため、同居していない人から6フィート(約1.8m)以上の距離を保てない屋内または屋外の公共スペースでは18日からフェイスカバー(face covering)を着用することを強く要請しています。
フェイスカバーの着用が強く求められる場所は次のとおりです。
- 飲食物を販売する店(食料品店、薬局、街角の店、コンビニエンスストア、酒屋、ファーマーズ・マーケット、食料品銀行、農産物直売所、スーパーマーケット、食料品を販売する大型小売店、および食料品を販売する同様の場所を含む)。
- 小売店(コンビニ、ペット用品店、自動車用品修理店、ホームセンター、園芸用品店、オフィス用品店、家電量販店など)。
- レストランのテイクアウトと食品関係のビジネス。食品の準備、運搬、配達を行う従業員はマスクを着用しなければならない。
- 大麻ショップや栄養補助食品を販売している店。
- タバコと vapor の店。
- バス、ライトレール、その他の公共交通機関。
外でのウォーキングや運動など、一緒に住んでいない人から6フィート離れていられる場合は、フェイスカバーは必要ないとのことです。また、この場合のフェイスカバーは、布のフェイスマスク、スカーフ、バンダナなどが布のフェイスカバーにあたるとされています。
フェイスカバーを着用しなかったことに対する刑事、民事、または金銭的な罰則はありませんが、事業主および個人は、地方衛生担当官、州知事、またはその他の地方、州、または連邦の機関、およびその他の関連する地方、州、または連邦の公民権法によるCOVID-19の既存のすべての命令に継続して従う必要があります。
また、事業主は、個人にフェイスカバーの着用を勧めるサインを敷地内に掲示することを義務付けられています。企業はシアトル・キング郡公衆衛生局のウェブサイトからサインをダウンロードして印刷できます。
https://kingcounty.gov/depts/health/covid-19/care/masks.aspx
経済活動再開のそれぞれの段階は少なくとも3週間がかかるとされていますが、経済活動再開の結果、COVID-19関連での感染率と入院患者が増えるなど状況の悪化が見られた場合は、経済活動が縮小されたり、次の段階に移行するまでにさらに長い時間がかかることになります。
ワシントン州の感染者は11日時点で1万7122人、死者は945人となっています。
5月4日(月)集計
感染者 15,594人(前日比132人増)
死者 862人
5月11日(月)集計
感染者 17,122人(前日比231人増)
死者 945人(前日比14人増)
なお、経済活動が再開されても、ワシントン州による自宅待機命令は5月31日まで延長されており、社会的距離の維持などの対策が前提となっていることには変わりありません。