特定の状況での動物に対する虐待行為(animal cruelty)を連邦法で犯罪行為とする法律に、トランプ大統領が署名し、発効しました。
この法律は、2010年に米国議会で可決された動物クラッシュビデオ禁止法 『Animal Crush Video Prohibition Act』(動物の虐待や拷問の動画制作・配給を禁止する法律)を強化したもの。
動物クラッシュビデオ禁止法では、"animal crush" を、人間以外の哺乳類・鳥類・爬虫類・両生類の動物(魚や昆虫を除く)を生きたまま「意図的に潰す、焼く、溺れさせる、窒息させる、突き刺す、または身体に重度に負傷させること」と定義し、写真・動画・ビデオ・デジタル記録・電子画像を含むクラッシュビデオのために行われた行為のみに適用されることが問題視されてきました。
そのため、新たに動物の虐待・拷問を防止する法律 『Preventing Animal Cruelty and Torture Act(PACT)』 が米国議会に提出され、10月に下院、11月上旬に上院で可決されました。
NPR などによると、これにより、これまで州や地方ごとに定められた法律で犯罪行為とされていた動物虐待行為でも、特定の状況下では連邦当局が起訴できるようになり、有罪となった場合、罰金、または最長7年の懲役刑、またはその両方を科される可能性があります。動物保護活動家らは、複数の州や法管轄地域にまたがる虐待行為の場合に起訴するのが困難になるため、連邦法で禁止する必要があると主張していました。
アメリカの非営利の動物保護団体、Humane Society のプレジデント兼 CEO のキティ・ブロック氏は、今回の連邦法の発効を受け、「PACT は、アメリカの価値観について宣言する。動物たちは最高水準の保護を受けるに値する」との声明を発表しています。