アメリカの旅行シーズンは、5月のメモリアル・デー(5月最終月曜日の連邦祝日)の直前から始まります。今年は、空港を利用する旅行者数が過去最高になると予想されており、空港での手続きや移動には、いつも以上に注意が必要となっています。スムーズな旅行をするためにも、しっかりと準備しましょう。
シアトル・タコマ国際空港 パンデミック前を超える旅行者数を予想
シアトルの玄関口であるシアトル・タコマ空港(SEA)は、今年の6月から8月にかけて、パンデミック前を上回る旅行者数を予想しています。
メモリアル・デー期間の旅行者数の予測
TSAによると、5月23日から28日の連休中、昨年を9.8%上回る36万5000人を超える乗客がシアトル・タコマ国際空港から搭乗する見込みです。
この期間の保安検査を利用する旅行者数が特に多いと予測されるのは、5月23日と24日です。
- 5月23日(木):69,000人
- 5月24日(金):70,000人
午前4時から午前8時、午前10時から午後1時、午後3時から午後6時は、保安検査が特に混み合うことが予想されます。
夏の旅行シーズンの予測
6月から8月は、シアトル・タコマ国際空港で約1550万人の乗客が見込まれています。これはパンデミック前の2019年の水準にほぼ匹敵し、もし少しでもこれを上回る場合は、史上最高記録になる可能性があります。
2023年の乗客数は5090万人で、2019年の記録的な5180万人にはわずかに及びませんでしたが、国際線の乗客数では記録を更新しました。
シアトル・タコマ国際空港は、現在、5年間にわたる総額50億ドルのアップグレードを進めています。
ここでは、全国の保安検査場(セキュリティチェック)を管轄する TSA(運輸保安局)が15日に発表したアドバイスをまとめました。
夏の旅行シーズンは、メモリアル・デー(5月最終月曜日)からレーバー・デー(9月第1月曜日)。TSAは、5月24日(金)をメモリアル・デーの週末にで最も旅行者数と予測し、約300万人の乗客を見込んでいます。5月23日から29日までに1,800万人以上の乗客とクルーの検査を予定しており、2023年同期間と比べて約6.4%の増加となります。
旅行者数の増加対策
顔認証システムや CTユニットなど、新しいテクノロジーを導入
TSAは、第二世代の認証技術(CAT-2: second generation of Credential Authentication Technology)を使って、乗客のIDを確認し、顔認証システムを使って本人確認を行います。写真は一度認証されると保存されませんが、写真撮影を拒否することも可能です。
拒否した場合、ペナルティはありませんが、手動で確認作業が行われるため、順番が後回しになる可能性があります。詳細は TSA の Privacy Impact Assessments や Fact Sheet、biometrics technology をご覧ください。
また、多くの空港でCTユニット(Computed Tomography)が導入され、手荷物を3D画像で検査し、手作業で荷物を検査する必要性を減らしています。CTユニットのあるレーンでは液体やラップトップを取り出す必要はありませんが、すべての手荷物を検査用の容器に入れて検査を受ける必要があります。手荷物として持ち込めるのは、身の回り品のほか、手荷物1個です(one carry-on bag と one personal item)。
アメリカの空港での銃器の持ち込み
保安検査場、空港の保安エリア、機内への銃器の持ち込みは禁止されています。
銃を隠して携帯する許可証を取得していても、米国憲法で銃の携帯が許可されている地域でも例外ではありません。
銃器は装弾せず、預け入れ荷物にハードケースに収納して施錠して保管し、航空会社に申告する必要があります。
保安検査場に銃器が持ち込まれた場合、TSA は地域の法執行機関に通報し、銃器の安全に取り除き、押収します。法執行機関は地域の法律に従い、乗客を逮捕や罰金の対象とすることがあります。また、TSA は最大15000ドルの民事処罰を課す可能性があります。初回違反でTSA PreCheck®の資格を5年間失い、再犯でTSA PreCheck®から永久失格となり、追加の罰が科される可能性があります。
手荷物・預け入れ荷物に入れてはいけないものを確認
手荷物・預け入れ荷物に入れてはいけないものを、TSA の “What Can I Bring?” を見て、改めて確認しましょう。
例えば、液体、日焼け止め、アルコールは3.4オンス(約100.55ml)以上であれば機内に持ち込むことはできず、預け入れ荷物に入れなくてはなりません。
液体、スプレー、ジェル、クリーム、ペーストは、各アイテムが3.4オンス(100ミリリットル)以下であれば機内持ち込み手荷物に許可されています。これらのアイテムは1クォート(1 Quart)サイズのバッグにまとめて入れる必要があります。各乗客は、液体、エアゾール、ジェル、クリーム、ペーストを1クォート(1 Quart)サイズのバッグ1つに限り持ち込むことができます。
有効な REAL ID やその他の公式の身分証明書を持参
18歳以上の乗客は、空港の保安検査場で有効な身分証明書を提示する必要があります。
TSA が認めている公式のIDに関しては、TSAのウェブサイトで確認してください。
2025年5月7日以降、州発行のIDまたは運転免許証を使ってアメリカ国内を飛行する場合は、REAL IDまたはパスポートなどを含む公式のIDを持っている必要があります。REAL IDを持っているかどうかわからない場合は、州の免許局に問い合わせましょう。
TSA PreCheck®メンバーは、Known Traveler Number(KTN)を入力
TSA PreCheck のメンバーは、航空券を予約する際、Known Traveler Number(KTN)、姓名、生年月日を必ず正確に入力しましょう。複数の航空会社を利用する場合は、旅行のたびに各航空会社のプロフィールにKTNを入力することが重要です。
TSA PreCheck のメンバーは、空港で専用の保安検査レーンがあるため待ち時間が比較的短く、靴、ベルト、3-1-1液体、食品、ラップトップ、軽いジャケットを取り外す必要がありません。