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カンジダ・アウリスのアウトブレイク発生 ワシントン州で初

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CDC(疾病予防管理センター)の情報

CDC(疾病予防管理センター)は、カンジダ・アウリスについて、健康な人にとっては脅威ではないものの、医療施設の入院患者やナーシングホームの入居者の間で簡単に感染し、重篤な病気を引き起こす可能性があると説明しています。また、「抗真菌治療に対する耐性がある場合があり、これは真菌を殺し感染を防ぐために設計された薬の効果がないことを意味している」「血流、傷口、耳など、体の異なる部分に感染を引き起こす可能性がある。症状は、感染の部位と重症度によって異なり、細菌によって引き起こされる感染の症状に似ている場合がある」と解説しています。

上記の理由から、CDC は入院患者やナーシングホーム入居者の家族のスクリーニングや検査を推奨していません。「家族は患者の部屋に入る前後や、患者や患者の医療機器に接触する前後に、アルコールベースの手指消毒剤を使用するか、手を洗うこと」「カンジダ・アウリスの患者と頻繁に接触する家族や他人に対しては、「医療施設でケアを受ける必要がある場合、医療提供者に伝えること」としています。

バージニア・メイソン・メディカル・センター 感染症科指導医の千原晋吾さんの解説


バージニア・メイソン・メディカル・センター 感染症科指導医の千原晋吾さんに、今回のカンジダ・アウリスのアウトブレイクについて解説していただきました。その要点は下記のとおりです。

  • 健康な人は普通に生活して良い。
  • 市中感染は今のところほとんど起きていない。
  • 妊婦や小児の症例は少ないが、基本的に基礎疾患のある子どもや未熟児で報告はある。
  • 入院中の方やナーシングホームに入居している方は、手指の消毒を欠かさないこと、手を洗うこと。
  • 入院中の方やナーシングホームに入居している方と接触する場合は、手指の消毒を欠かさないことと、手を洗うことが大切。
  • 免疫力が低下している人は、そもそも入院するような事態にならないように気をつけること、そして、わざわざ医療施設に行くことを避ける。
  • 重い基礎疾患があったり、集中治療室に入院するような可能性のある人は、普段から手指の消毒を欠かさないこと、手を洗うことで他の病気の予防にもなる。

バージニア・メイソン・メディカル・センター 感染症科指導医の千原晋吾さん
日本、プエルトリコ、ニュージャージー州で幼少時代を過ごし、山梨医科大学に入学。卒業後、横須賀海軍病院インターン、飯塚病院初期研修、コネチカット大学プライマリ・ケア内科プログラムのレジデント及びチーフ・レジデント、ラッシュ大学・John H Stroger Jr Hospital of Cook County 感染症科フェロー、ユタ大学臨床微生物学フェロー、獨協医科大学感染制御・臨床検査医学教室講師。2011年に再々渡米し、南イリノイ大学感染症科講師を務めた後、2014年3月よりバージニア・メイソン・メディカル・センター 感染症科指導医。2016年7月のインタビュー記事はこちら

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