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オンラインの「ロマンス詐欺」 ワシントン州の被害件数は全米6位

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FBI のインターネット犯罪苦情センターの発表で、2019年にオンラインでロマンス詐欺の被害にあった人の数は州別ではカリフォルニア州が最も多く、ワシントン州は全米で6番目に多かったことがわかりました。

シアトル・タイムズは、アメリカで消費者が被害者となる詐欺で被害額が最も大きいのはロマンス詐欺(romance scams)であるという FTC(連邦取引委員会)によるまとめを紹介しています。

実際に金銭的被害にあわなかった人や被害にあったことを恥ずかしく思い警察に相談しない人もいることから、被害者数は実際はもっと多い可能性があると見られていますが、データのある2015年から毎年確実に増加しており、2018年の平均被害額は他の詐欺の約7倍以上にあたる2,600ドル。被害者の多くは40歳から69歳ですが、被害額が最も大きいのは70歳以上で、その被害総額の中央値は10,000ドルとなっています。

被害者が金銭を送った方法で最も多かったのは、ワイヤートランスファー(電信送金)。2018年に増加したギフトカードやリロード型カード(Moneypak)は、被害者がカードを郵送するかカードの裏面に記載された PIN を加害者に提供していました。ギフトカードやリロード型カードは「換金しやすい」「換金したら戻せない」「匿名のままでいられる」という理由から、犯罪者に好まれるとのことです。

よくある手口として紹介されているのは、ソーシャルメディアや出会い系サイトに偽のオンラインプロファイルを作り、好意を持っているように装って信用させ、金銭や個人情報を引き出させるというもの。

多くの場合、外国で働いているアメリカ人、または外国に駐留しているアメリカ軍人を名乗る人物からの友達申請や出会い系でのマッチングから始まるそうで、加害者は短期間で恋愛感情を装い、真剣な交際を提案してから、ほぼすべてのケースにおいて、メールやチャットのアプリで二人だけで話をしようと持ち掛けます。その後、加害者は実際に会おうと提案してくるものの、なぜかいつも突発的なことが発生して会えない状態が続いているところに、「ケガや仕事で緊急事態が発生したので金銭を一時的に立て替えてほしい」と被害者に連絡し、それを真に受けた被害者が送金してしまいます。

シアトル・タイムズの記事に登場しているワシントン州スポケーン在住のジョン・ルイスさん(82)は、そんな被害者の一人。軍人で20代の女性を装った人物にオンラインで出会って好きになってしまい、頼まれたお金を送金するためにクレジットユニオンに出向いたところ、詐欺に気づいた職員に止められ、危うく難を免れたそうです。

こうした詐欺をする犯罪者を「catfish」、その犯罪行為を「catfishing」と呼ぶのは、ニューヨーク在住の写真家がネットで知り合った女性に会いにミシガン州の田舎に行くドキュメンタリー映画とテレビ番組の『Catfish』に由来しています。

FTC は公式サイトで詐欺の詳細を掲載し、ロマンス詐欺について次のような注意喚起を行っています。(1)好きな人でも実際に会ったことのない場合は金銭やギフトを送らない。(2)信頼できる人に相談してみること。(3)急がないこと。質問をしてつじつまの合わない答えがないか注意すること。プロフィール写真を逆検索してみること。その写真が別の名前や情報と合致してつじつまが合わない場合は詐欺であることがわかる。

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