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新型コロナウイルスの感染者・死亡者 キング郡で依然として有色人種に偏り

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シアトル・キング郡公衆衛生局は8日、新型コロナウイルスの感染者・死者の人種に関するデータを更新。ハワイ/太平洋先住民、ヒスパニック/ラテン系、黒人に不均衡に偏っていることが改めて明らかになりました。

キング郡

今月8日時点で、キング郡では感染者6,940人が確認されており、年齢調整済みの住民10万あたりの感染者数は311.6人です。しかし、このうち人種が判明している69.6%のうち、感染率が最も高いのはハワイ/太平洋先住民で、ヒスパニック系と黒人も白人と比べると大幅に高くなっています。アメリカン・インディアンとアラスカン・ネイティブの感染率も白人より高くなっていますが、もともとの人口が少ないため統計的に多くはありません。一方、アジア系は白人をわずかに上回る結果となっています。

住民10万あたりの感染者数(年齢調整済み)

人種 5月8日
ハワイ/太平洋先住民 754.6
ヒスパニック/ラテン系 655.7
黒人 354.2
アメリカン・インディアンとアラスカン・ネイティブ 229.9
アジア系 163.6
白人 153.6

感染者の15.9%にあたる1,103人が入院しましたが、ヒスパニック系の入院率は白人と比べると大幅に高くなっています。一方、アジア系の入院率は白人を下回っています。

住民10万あたりの入院者数(年齢調整済み)

人種 5月8日
ヒスパニック/ラテン系 150.5
ハワイ/太平洋先住民 124.5
アメリカン・インディアンとアラスカン・ネイティブ 66.0
黒人 59.0
白人 35.9
アジア系 34.1

また、8日時点では感染が確認された人の7.0%にあたる485人が死亡していますが、ヒスパニック系の死亡率は他の人種より突出して高くなっています。

住民10万あたりの死者数(年齢調整済み)

人種 5月8日
ヒスパニック/ラテン系 52.4
ハワイ/太平洋先住民 38.3
アジア系 20.8
白人 19.7
黒人 18.8

シアトル・キング郡公衆衛生局と地域社会対策班は、COVID-19が健康の不均衡を悪化させており、長年にわたる構造的な人種差別(住宅政策から医療における差別など)により、すでに不利な立場に置かれているコミュニティに最大の被害を与える可能性が高いと懸念してきました。そして、この不均衡の要因として、心臓病・糖尿病・基礎疾患の有無、複数世代が同居する居住環境(家族内に感染者が出ても社会的距離を維持しづらい)、社会に必須とされる職業で自宅待機できない労働環境(エッセンシャルワーカー)、不法滞在者は連邦政府の景気刺激策などにアクセスできないことから社会的距離を効果的に維持できず感染の確率が高い状況にあるといったことを挙げています。

確認された感染者の分布地図を見ると、感染者が郡全体に見られる一方で、シアトル南部およびキング郡南部では発生率が高く、キング郡北部およびキング郡北東部での発生率はより低いことから、発生率が高い地域は一般的に有色人種の住民が集中している地域と重なっていることもわかります。

キング郡は、この不均衡に対処するために、検査、情報、社会的支援へのアクセスを有するすべてのコミュニティへの支援においてさらに共同で取り組むべきと主張しています。新型コロナウイルスに関する説明や自宅待機命令についての説明は、日本語を含む31カ国語に翻訳して公開されています。



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