ワシントン州保健局は28日、ワシントン州西部と東部の両方で新型コロナウイルスの感染が全般的に拡大しているとの新型コロナウイルスに関する最新のワシントン州全体の状況報告書を発表しました。
その内容のポイントを日本語で簡単にまとめました。詳細は公式サイトで確認できます。
- 感染はワシントン州西部と東部の両方で拡大しています。実効再生産数(effective reproductive number:COVID-19患者1人あたりの新規感染者数)の最良の推定値は、10月10日現在、ワシントン州西部で1.34、ワシントン州東部で1.12。目標は繁殖率が1を大きく下回ることであり、これはCOVID-19に感染する人の数が減少していることを意味する。
- 9月中旬から10月中旬にかけて、ワシントン州西部と東部で症例数と入院件数が増加した。10月初旬の増加の一部は、より多くの検査によるものと思われるが、10月15日に終了した週には検査数が減少したにもかかわらず症例数は増加した。
- ワシントン州西部での増加は地理的にも年齢も超えて広範囲に広がっている。特に、25歳~39歳と40歳~59歳、ピュージェット湾地域(スノホミッシュ郡、キング郡、ピアス郡)での増加が著しい。これは、増加が単一のタイプの活動や状況によってではなく、地域社会での広範囲な広がりによるものであることを示唆している。
- ワシントン州東部での症例数の増加は鈍化しているが、今後増加が加速するリスクが見られる。総検査数に対する陽性検査数の割合は、ワシントン州西部よりもワシントン州東部の方がかなり高い。さらに、ワシントン州東部の1人当たりの感染率は、依然としてワシントン州西部の2倍に達している。
- 症例の最近の増加は州全体に広く分布している。複数の比較的大きな郡(クラーク、ピアス、スノホミッシュ、サーストン)では着実な増加が見られる。キング郡では10月7日まで着実に増加した後、減少し始めた。これはおそらく、その期間の検査数が減少したため。複数の比較的小さな郡(グラント、キティタス、スカジット、ワラワラ)では明らかに増加しているが、最近の症例の総数は低いままとなっている。
- 症例数が横ばいまたは減少している郡でも、傾向は混在している。ベントン郡とフランクリン郡では、10月5日まで徐々にだが着実に増加した後、症例数は横ばいとなっている。スポケーン郡では9月上旬から9月中旬にかけて急増した後、横ばいとなっている。ウィットマン郡の症例数は変動しており、大学生の年齢層での急増に続いて年齢が高い層で増加している。ヤキマ郡での症例数は横ばいとなっている。
「COVID-19の症例が急増すれば、学校の再開に向けた進歩が妨げられ、医療制度に負担がかかり、ホリデーの集まりでのリスクが増大する」と、COVID-19対策担当で保健局副長官のレイシー・フェレンバック氏は述べています。「コミュニティ内で感染率が高いということは、あなたがよく知っていて信頼している人であっても、あなたの集まりに参加している人が感染している可能性を高めます。今対策をすれば、ホリデーに間に合うように感染の拡大を管理できます」
ワシントン州保健局は、同居していない人(親しい友人や家族であっても)に接触する場合はマスクを着けること、集まる人数・規模・頻度を制限すること、頻繁に手を洗うこと、インフルエンザの予防接種をすること、病気の時は外出しないことを引き続き実行するよう呼びかけています。
同居していない人と集まる場合にリスクを下げるための対策は、ワシントン州の公式サイトで紹介されています。
この報告書は、Institute for Disease Modeling、フレッド・ハッチンソンがん研究所、ワシントン大学、Microsoft AI for Health と提携して作成されています。
ワシントン州保健局は毎日、感染状況を発表しています。10月27日集計の感染状況は次のとおりです。比較のため、10月13日の感染状況も掲載しています。
10月13日集計:
検査数 2,146,509回(前日比22,601+)
累計感染者数 95,509人(前日比734+)
累計入院者数 7,883人(前日比6+)
累計死者数 2,221人(前日比10+)
死亡率 2.3%
10月27日集計:
検査数 2,383,332回(前日比20,737+)
累計感染者数 104,743人(前日比716+)
累計入院者数 8,383人(前日比25+)
累計死者数 2,353人(前日比16+)
死亡率 2.2%