今月6日、ノルウェージャン・クルーズラインの『Bliss(ブリス)』 がシアトルのピア66に入港し、2024年のクルーズシーズンが開幕しました。
今シーズンは、シアトルとアラスカ間のクルーズが開始して25周年にあたります。Port of Seattle の海事部門によると、4月6日から10月28日までのシーズン中は、シアトルから275回のクルーズが出航し、延べ約170万人(個別の乗客数は80万人)の乗客が予想されています。
今年もシーズン初のクルーズに投入されたノルウェージャン・クルーズラインの『Bliss』は、アラスカクルーズ向けに設計された、歴代9番目の大型客船。20階建てで、客室2,200室を有し、最大4,000人が乗船できるようになっており、2018年に完成しました。
シアトルのクルーズ産業
シアトルからアラスカへのクルーズが1999年に初めて就航した当時、シーズン中の出航数は36回でしたが、今シーズンは275回にまで増加しました。2017年以降、毎年100万人以上がこのクルーズを利用し、一大産業となっています。
2020年はCOVID-19のパンデミックの影響で運航が全面的に停止しましたが、2021年には就航数が82回に回復し、今シーズンはパンデミック前の乗客数を上回ることが予想されています。
クルーズ産業は、推定約9億ドルの経済効果を生み出し、5500人の雇用を創出するとされ、地域経済・社会にとって重要な存在となっていることがわかります。
シアトルからアラスカへのクルーズを運航している主なクルーズ会社は以下の通りです:
- Norwegian Cruise Line
- Royal Caribbean International
- Oceania Cruises
- Celebrity Cruises
- Princess Cruises
- Holland America Line
- Cunard Line
- Carnival Cruise Line
シアトルでの環境保護対策
シアトル港は、2050年までに海港関連の排出物を段階的に廃止することを目指し、北米で最も環境に配慮した港になる計画を進めています。
シアトル港には、ピア91(スミス・コーブ・クルーズターミナル)に電力への接続可能な2つのピアがありますが、ピア66(ベル・ストリート・クルーズターミナル)でも、この夏の完成に向け、工事が進められているところです。
Port of Seattle によると、クルーズ船の寄港から出航にかかる時間は平均10時間。停泊中に、乗客の下船、物資の積み込み、新たな乗客の乗船が行われる間も、ライトの点灯、食品の冷却、機器の稼働、さまざまなサービスの提供にエネルギーが必要です。寄港地で電力に接続することが可能になれば、停泊中にディーゼルエンジンを停止することができ、その結果、平均してディーゼル排出物を80%、二酸化炭素排出物を66%削減することが可能となります。
これが実現すれば、シアトルの3つのピアすべてを電化するという目標を、6年早く達成することになります。