ワシントン州でアメリカで最初の新型コロナウイルス感染者が確認されたのは1月20日。それから約3か月後の4月10日に初めて公表された感染者と死者の人種に関する予備データでは、感染者も死者も人口構成で多数を占める白人が最多となっていますが、この予備データ自体が不完全で、11日時点で感染者の53%、死者の34%の人種が不明となっています。
4月11日発表の予備データはこちら。ワシントン州保健局の公式サイトでも確認できます。
【感染者の人種 人数/感染者数に占める割合/人口に占める割合】
ヒスパニック 1,061/22%/13%
ヒスパニック系ではないアメリカン・インディアン/アラスカ先住民 35/1%/1%
ヒスパニック系ではないアジア人 427/9%/9%
ヒスパニック系ではない黒人 274/6%/4%
ヒスパニック系ではない白人 2,785/58%/68%
ヒスパニック系ではないハワイアン/その他の太平洋諸島系先住民 58/1%/1%
ヒスパニック系ではない複数人種 104/2%/4%
ヒスパニック系ではないその他の人種 91/2%/NA
不明 5,389/53%
感染者累計 10,224
【死者の人種と人数/死者数に占める割合/人口に占める割合】
ヒスパニック 23/7%/13%
ヒスパニック系ではないアメリカン・インディアン/アラスカ先住民 4/1%/1%
ヒスパニック系ではないアジア人 32/10%/9%
ヒスパニック系ではない黒人 9/3%/4%
ヒスパニック系ではない白人 246/76%/68%
ヒスパニック系ではないハワイアン/その他の太平洋諸島系先住民 1/0%/1%
ヒスパニック系ではない複数人種 3/1%/4%
ヒスパニック系ではないその他の人種 7/2%/NA
不明 166/34%/NA
死者合計 491
「ワシントン州保健局は公平性と社会正義を促進することに尽力しており、ワシントン州住民への影響に関する我々の全体的な理解のためにこれらのデータが利用できることを喜ばしく思う」と、保健長官ジョン・ウィーズマンは述べています。
「現時点で入手可能なデータに基づくと、この国の他の地域で経験されているような死亡率の著しい不均衡はないようだ。しかし、死亡者の3分の1についてはまだ作業中なので、まだ確固とした結論は出せない。」
一方、ニューヨークタイムズや NBCNews などによると、ニューヨーク州・イリノイ州・ノースカロライナ州・サウスカロライナ州・ネバダ州・コネチカット州・ミネソタ州や、シカゴ・フィラデルフィア・デトロイトなどの大都市などが発表したデータで、感染者・死者に占める黒人の割合が人口に占める割合を大きく上回っていることがわかっています。一例では、シカゴの人口の30%しか占めていない黒人が新型コロナウイルスによる死者の70%を占めており、ニューヨークタイムズは「公衆衛生研究者によると、資源、健康、医療へのアクセスにおける不平等が固定化していることが浮き彫りになっている」と指摘しています。
7日に行われたホワイトハウスでの記者会見で、トランプ大統領もこれを認め、対策班に参加している専門家で国立アレルギー感染症研究所(NIAID)所長のアンソニー・ファウチ博士は喘息や糖尿病など基礎疾患の多さを挙げ、「非常に懸念している」と述べています。現時点で連邦政府は新型コロナウイルス感染者・死者の人種に関する全米の総合データを公表できていません。