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2025年3月のシアトルのダウンタウン:観光もオフィスも回復傾向、でも海外からの旅行者は減少中

©︎Visit Seattle/David Newman
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シアトルのダウンタウンは、2025年3月にパンデミック後最大の活気を見せ、観光・ビジネス・居住のすべての面でパンデミック後の回復が見られることがデータに表れています。しかし、今年1月下旬から続く政治的緊張と貿易摩擦、安全性と歓迎度への不安などから、外国人旅行者の減少が報道されていることから、シアトルの観光業や経済への影響に注目する必要があります。

目次

2025年3月のデータ

ダウンタウンの訪問者数

スマートフォンのトラッキングから人の動きを分析する米国企業 Placer.ai が提供した新しいデータで、2025年3月にシアトルのダウンタウンを訪れた人は250万人を超え、2019年3月の92%に達し、2024年3月から5%、前月から30%増加したことがわかりました。

地元住民(ダウンタウンから10マイル以内に住む人々)の訪問回数は、2019年3月と比べて104%増加しています。

ダウンタウンの平日平均就業者数

2025年3月の平日の労働者の往来は平均10万1000人近くと、2020年3月以来最も高い1日平均を記録しました。2019年と比較すると60%にしか達していませんが、2024年3月から12%近く増えています。

Placer.aiは、月曜日から金曜日までの平日5日間のうち少なくとも3日間に渡りダウンタウンに来る人を「ダウンタウンで働く労働者」と定義しています。これはシアトルに本社を置くアマゾン・ドットコムをはじめとする大手企業が出社を義務付けたことが大きく影響していると見られます。

アパートの入居率

ダウンタウンのアパートメントの入居戸数は引き続き増加し、5万9,000を超えました。2024年第1四半期と比べて4%、2019年第1四半期と比べて26%の増加となっています。

ホテル稼働率

2025年3月のホテルの稼働率は32万6000室で、2019年3月の93%に達しました。しかし、2024年3月と比較すると、4%減少しています。

ちなみに、2025年1月のホテルの販売室数は24万1,000室で、2019年1月の85%にあたり、2024年1月から5%増加していました。

観光客数の推移

2025年3月、ダウンタウンには約250万人の訪問者がありました。これは2019年3月の訪問者数の92%で、2024年3月と比べて5%、2025年2月から30%の増加となります。

外国人旅行者の減少の影響

今年1月下旬から続く政治的緊張と貿易摩擦、安全性と歓迎度への不安などから、外国人旅行者の減少が報告されています。Oxford Economics によると、2025年3月、カナダからの陸路訪問者は前年同月比で31.9%減、空路でも13.5%減少。海外からの訪問者数(Overseas visitor arrivals)は全体で前年同月比11.6%減少し、特にドイツとイギリスからの旅行者数が大きく落ち込んでいます。また、メキシコからの空路による訪問者数も同月に23.0%減となり、北米地域全体でアメリカへの旅行需要が鈍化している状況が浮き彫りになっています。

Bloomberg は、2025年夏に向けたカナダからアメリカへの航空予約は前年同期比で70%減少しており、著しい落ち込みを見せていると報じています(OAG Aviation Worldwide 調べ)。Accor SA によると、ヨーロッパからの米国向け夏季予約も25%減少しており、CEOのセバスチャン・バザン氏は「入国時の拘束や取り調べといった国境での対応が悪い評判(bad buzz)を生み、観光客を他国へ向かわせている」と指摘しました。これらの動きは、クルーズシーズンや大型イベントが集中する時期に、シアトルを含むワシントン州の国際観光にさらに大きな影響を及ぼす可能性があります。

このデータを発表しているダウンタウン・シアトル協会は、COVID-19の影響を最初に受けて急激な経済の低迷を経験したシアトルの状況を把握するための指標を調査しています。パンデミックが始まる前の2019年と比較することで、ダウンタウンの再生状況がわかります。

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