アメリカの環境保護 NPO 機関 The Environmental Working Group(EWG)が発表した残留農薬の多い農産物のランキング 『ダーティ・ダズン』の2021年度版で、イチゴが6年連続でワースト1位となりました。また、コラードとマスタード・グリーンがケールと並んで最も農薬汚染された生鮮食品の一つに含まれています。
同団体は、米国農務省の検査データを分析し、残留農薬が最も多い果物や野菜 『ダーティ・ダズン』、最も少ない果物や野菜『クリーン・フィフティーン』を特定し、『ショッパーズ・ガイド・トゥ・ピーチ・プロデュース(Shopper’s Guide to Pesticides in Produce™)』 を発表しています。
残留農薬が最も多い果物や野菜【ダーティ・ダズン】
1位:イチゴ
2位:ほうれん草
3位:ケール、コラード、マスタードグリーン
4位:ネクタリン
5位:りんご
6位:ぶどう
7位:チェリー
8位:桃
9位:梨
10位:ベルペッパー、ホットペッパー
11位:セロリ
12位:トマト
ニュースリリースによると、同団体の毒物学者であるトーマス・ギャリガン博士は、「有機栽培であろうと、従来型の栽培であろうと、果物や野菜は健康的な食生活に欠かせないものです」と述べています。
「農薬の摂取量を懸念する消費者には、『ダーティ・ダズン』 に掲載されている食品なら可能な限り有機栽培のものを、そして 『クリーン・フィフティーン』 に掲載されている従来型の栽培の農産物の購入を勧めます。」
第3位には、ケールに加え、マスタード・グリーンとコラードがランク入り。葉物野菜からは、ネオニコチノイド(ネオニクス)を含む合計94種類の農薬が検出され、マスタード・グリーンの一つのサンプルからは20種類、ケールやコラードの複数のサンプルからは17種類もの農薬が検出されました。同団体によると、この3種類の野菜のうち、最も多く検出された農薬は Dacthal という商品名で販売されている DCPA で、これは米国の EPA(環境保護庁)によって発がん性物質の可能性があると分類されており、EU(欧州連合)には2009年に使用が禁止されているものです。
また、ベルペッパーは2012年以来、ホットペッパーは2011年以来の検査となりましたが、今年は10位にランクインしました。ベルペッパーからは115種類の農薬が検出されましたが、これはあらゆる品目の中で最も多い数です。
残留農薬が最も少ない果物や野菜【クリーン・フィフティーン】
1位:アボガド
2位:スイートコーン
3位:パイナップル
4位:たまねぎ
5位:パパイヤ
6位:冷凍のスイート・ピー
7位:ナス
8位:アスパラガス
9位:ブロッコリー
10位:キャベツ
11位:キウイ
12位:カリフラワー
13位:マッシュルーム
14位:ハニーデューメロン
15位:カンタロープ
また、EWG は、アメリカで販売されているスイートコーン、パパイヤ、サマースクウォッシュの一部は遺伝子組み換えが行われた種から栽培されていることから、「遺伝子組み換え食品を避けたい場合は、オーガニックのものを購入すること」と呼びかけています。