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世界の交通状況ランキング:シアトルはリモートワークの減少で渋滞悪化

オフィス勤務を再開させる企業が増えていることが、シアトルの交通状況に大きな影響を及ぼしています。

INRIX 社(本社:ワシントン州カークランド)が発表した2024年の交通状況ランキング「Global Traffic Scorecard」によると、2024年のシアトルの交通渋滞は9%増加し、移動時間の遅れは2023年の平均58時間から平均63時間に増えたことがわかりました。

シアトルの状況

シアトルのランクは2023年と同じ全米10位ですが、交通渋滞は9%増加し、渋滞による損失は2023年の平均58時間から平均63時間に増えたことがわかりました。

また、渋滞による時間と生産性の損失は、一人あたり推定1,128ドルにのぼります。

シアトル大都市圏では、アマゾンやスターバックスをはじめとする企業が今年から週5日のオフィス出社を改めて義務付けたことや、テクノロジー業界全体で5日間のオフィス勤務を推進する流れがあることから、2025年にかけても交通状態への影響が続くと予想されています。

特に、シアトルで約50,000人、近隣のベルビューでさらに12,000人の従業員を雇用しているアマゾンの影響は大きく、昨年4月に同社が従業員に週3日のオフィス出社を義務付けると発表すると、多くの企業がこれに倣い、翌月には平日の平均移動速度がほとんどのルートで全体的に低下したことが、INRIX の分析でわかっています。特に速度の低下が大きかったのは、東西を結ぶ I-90やSR 520 での移動で、また、南北を結ぶI-405やI-5でも2桁の低下が見られました。

アメリカのワースト10位

2024年、交通渋滞による損失額はアメリカ全体で740億ドル以上となり、2023年から1.7%増加しました。

リモートワークはアメリカで8%減少し、ハイブリッド勤務(オフィス出社と在宅勤務を組み合わせたもの)やオフィス出社の勤務モデルに移行する動きが増加しています。

特に、テクノロジー産業が集中するサンノゼ、サンフランシスコ、シアトルでは、業界全体でハイブリッド勤務や出社型の勤務を推進する流れが2025年にかけても続くと予想されています。

こうした動きの影響で、2024年にアメリカのドライバーが交通渋滞に費やした時間は平均43時間になりました。これは1週間分の労働時間に相当し、時間の損失額は771ドルにのぼります。交通渋滞による損失額は米国全体で740億ドル以上となり、2023年から1.7%増加しました。

ランク都市渋滞による損失時間2023年との比較ダウンタウンでの速度(時速/マイル)
1ニューヨークシティ1021%13
2シカゴ1026%14
3ロサンゼルス88-1%22
4ボストン79-10%13
5フィラデルフィア7712%14
6マイアミ746%20
7ヒューストン666%17
8アトランタ657%18
9ワシントンD.C.62-2%12
10シアトル639%18

世界のワースト10位

世界36カ国の900以上の都市の交通状況データの分析によると、交通渋滞が最もひどいのはトルコのインスタブールで、2023年から15%悪化しています。

世界ワースト10位には、アメリカから最多の3都市がランク入りしました。その理由に、大都市圏でのリモートワークの減少が挙げられます。イギリスではリモートワークやハイブリッドワークがほぼ横ばいとなっています。

アメリカのドライバーが交通渋滞で失った時間は平均43時間、時間の損失額は771ドルにのぼりました。一方、イギリスのドライバーが交通渋滞で失った時間は平均61時間、損失額は約581ポンド、ドイツのドライバーは平均43時間を交通渋滞で失い、損失額は470ユーロとなりました。

国全体の損失額を比較すると、アメリカでは前年比1.7%増の740億ドル以上となり、イギリスでは前年比11%増の78億ポンド、ドイツでは前年比14%増の36億ユーロに達しました。

ランク都市 渋滞による損失時間2023年との比較
1イスタンブール10515%
2ニューヨークシティ1021%
3シカゴ1026%
4メキシコシティ971%
5ロンドン1012%
6パリ970%
7ジャカルタ8937%
8ロサンゼルス88-1%
9ケープタウン9413%
10ブリスベン8414%
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