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インズリー知事、フレーバー付きの電子タバコ商品の禁止を要求

電子タバコ(vapor)が原因と見られる重い肺の病気にかかり、中には死亡するケースがワシントン州を含む全米各地で確認されていることを受け、ワシントン州のジェイ・インズリー知事は州の公衆衛生管理局(Board of Health)に対し、フレーバー付きの電子タバコ商品を禁止するよう命じました。

ID 89984907 © Oleksandr Suhak | Dreamstime.com

インズリー知事が禁止することを求めたフレーバー付きの電子タバコ商品はマリファナに含まれる成分の THC(テトラヒドロカンナビノール)が含まれるものも対象となっています。知事は、シアトルで行った記者会見で、政府には公衆衛生を維持する責任があり、また、フレーバー付きの電子タバコが特に子どもに好まれることに触れ、「子どもが夢中になってしまう」「12歳がニコチン中毒になるのは、とにかく間違っている」と述べました。

公衆衛生管理局がこれらの商品の禁止を10月9日の公衆衛生管理局の会議で決定した場合、その翌日から120日間にわたり販売が禁止されることになります。この販売禁止期間は延長することも可能です。

一方、電子タバコの販売店経営者や利用者、共和党議員からは、電子タバコが従来の喫煙をやめることにつながっていることや、今回の対策ではブラックマーケットでの販売にまで影響を与えられないこと、無認可の商品が出回っていることへの対策が必要であることなどについて指摘がなされています。ワシントン州のアルコール・マリファナ管理局によると、ワシントン州には現時点で約4,000軒の電子タバコ販売店、約500軒の許可を受けたマリファナ販売店があり、今回の販売禁止によってスモールビジネスが影響を受ける可能性があります。

トランプ政権は未成年者の利用が急増している電子タバコの吸引(vaping)に使用されている果物やコットンキャンディなど菓子類のフレーバー数万種類を禁止すると11日に発表。その後、ミシガン州とニューヨーク州がフレーバーつき電子タバコの販売を禁止し、また、カリフォルニア州政府が電子タバコの使用をやめるよう州民に呼びかける展開となりました。

マサチューセッツ州政府は、公衆衛生上の緊急事態(public health emergency)宣言を行い、来年1月25日まで4ヶ月にわた州内での電子タバコ(vaping)のオンライン・店頭を含むすべての販売を禁止するという、アメリカでは初の広範囲に及ぶ対策を発表。その間に公衆衛生関係者や医療関係者などによる情報の収集に努め、今後の対策を検討するとしています。

CDC(疾病管理予防センター)によると、電子タバコ(vaping)のさまざまな機器や製品が原因と見られる死者・患者は増え続けており、現在確認されているだけで全米10州での死者は12人、全米46州・米国海外領1での肺疾患患者は805人以上と発表しています。そのうち771人のデータによると、69%は男性で、62%は18~34歳、22%は18~21歳、16%は18歳未満。また、514人のデータでは、症状があらわれるまでの30日間にTHC(テトラヒドロカンナビノール)が含まれる商品を使用した人は約77%、THC(テトラヒドロカンナビノール)のみを吸引するために電子タバコを使用した人は36%。約57%はニコチンが含まれる商品を使用し、16%はニコチンの吸引のために使用したことがわかっています。

シアトル学区を含む多くの学区は vaping やタバコの使用に関する教育を行っていますが、KOMO などによると、2015年に発売されたJUUL 社(本社:サンフランシスコ)のミントや果物、デザート風味のニコチンポッド製品は、見た目がフラッシュドライブに酷似しており、vapor にありがちな白い大量の蒸気を出すこともないため隠しやすく、フレーバーも豊富なため未成年者に人気が高くなっています。そうした理由からアメリカの電子タバコ製品市場の半分以上を占めるまでに成長しましたが、1つのポッドでタバコ一箱分のニコチンが含まれていることから、短期間で中毒になる可能性があると指摘されています。

ワシントン州では、公共施設・レストラン・カフェなどの屋内はもちろん、公園やビーチも全面禁煙で、建物の出入口・窓・換気口から25フィート(約7.5メートル)以内も禁煙です。ワシントン州での喫煙可能な年齢は2019年4月に18歳から21歳に引き上げられました。



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