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シアトル美術館所蔵の埴輪『挂甲の武人』、アメリカから日本に里帰り 東京国立博物館の特別展『はにわ』で展示

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アーロン・リオ撮影

東京国立博物館で、10月16日(日本時間)に特別展『はにわ』が開幕しました。この特別展は、最高傑作と言われる埴輪『挂甲の武人』(けいこうのぶじん)が国宝に指定されてから50周年を迎えることを記念するもので、半世紀ぶりの埴輪展となります。

埴輪は、古墳時代の3世紀から6世紀にかけて作られた素焼きの造形で、王が埋葬された古墳に並べられていたもの。この特別展では九州から東北にかけて発掘された約120点の埴輪が同時に展示されていますが、なかでも、国宝に指定された『挂甲の武人』と”兄弟のようによく似た” 4体の埴輪が、史上初めて一堂に会していることが注目を集めています。

現存する『挂甲の武人』はこの5体のみで、そのうち1体は所蔵されているシアトル美術館から里帰りし、東京国立博物館で兄弟たちとの再会を果たしました。

この特別展のオープニングにシアトル美術館の代表として出席した日本・韓国美術専門のキュレーター、アーロン・リオさんにお話を伺ってみると、『挂甲の武人』の5体は、一つの展示室で大々的に展示されています。

「東京国立博物館の特別展はすべて見るべきだと思いますが、今回は全国からたくさんの埴輪が集まっているだけでなく、『挂甲の武人』が史上初めて5体揃って展示されることが特別です。シアトルにある武人はシアトルでもいつかまた見られますが、このように兄弟が揃う機会は初めてなので、ぜひ見てほしいと思います」と、アーロンさん。

「見比べてみると、それぞれ少し違いはありますが、X線を使った科学調査によって、作り方がまったく同じであることや、修復された時期など、かなり詳しいことがわかっています。この5体は同じ場所で同じ時に発掘されていますし、同じ理由で作られたのは間違いありません。そして、かわいいんですよ、埴輪は(笑)。みなさん楽しめると思いますし、いつもとちょっと違うオーディエンスが集まると思っています」

シアトル美術館が所蔵する『挂甲の武人』(左)と土偶(右)

シアトル美術館が所蔵する『挂甲の武人』は、来年の夏にシアトルに戻る予定。その後、ダウンタウンにあるシアトル美術館で、古墳時代の4〜6世紀に朝鮮半島から日本に技術が伝わった歴史を美術品を通して紹介する展示会が企画されています。

「なぜこのようなものが突然、日本列島に現れたのか。その技術は朝鮮半島から伝わったことが見て取れます。飾り方や作り方まで影響を受けていて、とても面白いですよ」

最後に、今回の展示をシアトルから東京まで見に行く価値があるかと聞いてみると、「間違いなく、その価値はあります」と力強い言葉が返ってきました。

この特別展は東京国立博物館で12月8日まで開催され、その後、九州国立博物館に巡回します。

特別展『はにわ』

東京国立博物館
2024年10月16日〜12月8日
haniwa820.exhibit.jp

九州国立博物館
2025年1月21日〜5月11日
www.kyuhaku.jp

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