昨秋から今春にかけて3つのブランドで販売されていたシナモンアップルピューレおよびアップルソース製品のシナモンが原因で、合計44州で500人以上の子どもたちに鉛中毒の症状が確認されたことは大きなニュースとなりました。
回収されたブランド・商品は次の3つです。
- WanaBana:アップルシナモンフルーツピューレパウチ(3パック含む)
- Schnucks:シナモン味アップルソースパウチとバラエティパック
- Weis:シナモンアップルソースパウチ
これらの商品は市場から撤去されており、販売されていませんが、保存期間が長いため、お手元に残っているかもしれません。もし回収対象の商品があれば廃棄するようにしてください。
FDAは合計17種類の製品を避けるよう警告
その後の調査で、これらの商品に含まれていたシナモンが原因で鉛およびクロムの含有量が高くなったことがわかったため、FDA(食品医薬品局)は合計17種類のシナモン粉末製品を避けるよう警告しました。
これらの製品に含まれる鉛のレベルは、回収されたアップルピューレ製品に含まれていたものよりもかなり低いものの、定期的に摂取すると健康にリスクをもたらす可能性があるほどの濃度だったとのことです。
FDAは流通業者に対して自主的な製品回収を呼びかけていますが、それが実施されるまでは、まだ店頭で販売されている可能性があります。消費者はシナモンを購入する際、これらのブランドを避けること、そして、手元にあるシナモンも確認し、該当する製品があれば廃棄することが求められます。
Consumer Reports も調査 12ブランドの購入を避けるよう警告
この状況を受け、今月、非営利団体の Consumer Reports は、食品安全科学者とシナモンやガラムマサラ、五香粉などのシナモンを含むスパイスブレンド36製品の鉛含有量を独自に調査し、その結果を発表しました。
検査の結果、購入を避けるよう警告されたブランドは、Paras や EGN、Mimi’s Products などのシナモン粉末およびスパイスブレンド12製品で、それぞれ1ppm(パーツ・パー・ミリオン)を超える鉛含有量を示しました。これはニューヨーク州が製品回収を促す基準としているレベルです。
これらの製品は一般的なスーパーマーケットで取り扱われているブランドで、諸外国の料理に特化した小規模なブランドも含まれており、コネチカット州、ニュージャージー州、ニューヨーク州の17店舗およびオンラインで購入されました。
購入に最適とされた製品は、次のとおりです。
Sadaf:Seven Spice、Cinnamon Powder
365 Whole Foods Market:Ground Cinnamon、Organic Ground Cinnamon
Louisa:Organic Ground Cinnamon
Morton & Bassett San Francisco:100% Organic Ground Cinnamon
鉛中毒(lead poisoning)の症状
鉛(lead)は人体に有害で、長期的に摂取すると、あらゆる年齢や健康状態の人に影響を与える可能性があります。特に子どもは鉛中毒の影響を受けやすいため、鉛への暴露から守ることが非常に重要です。
FDA の発表をもとに、鉛中毒の症状についてまとめました。
短期的な鉛暴露による症状:
- 頭痛(headache)
- 腹痛・疝痛(pain、colic)
- 嘔吐(vomiting)
- 貧血(anemia)
長期的な鉛暴露による追加の症状:
- 過敏性(irritability)
- 無気力(lethargy)
- 倦怠感(fatigue)
- 筋肉痛または筋肉のチクチク感・焼けるような感覚(muscle aches、muscle prickling、muscle burning)
- 便秘(constipation)
- 集中力の低下(difficulty concentrating)
- 筋肉の弱さ(muscular weakness)
- 震え(tremor)
- 体重減少(weight loss)
疑わしい場合は、医療専門家に早めに相談してください。