米国議会下院は18日午前からトランプ大統領を権力乱用(abuse of power)と議会妨害(obstruction of Congress)の二つの条項において弾劾訴追する決議案の審議を行った後、採決をとり、権力乱用は230対197、議会妨害は229対198の賛成多数でそれぞれ可決しました。
弾劾訴追された大統領は、アメリカ史上3人目。これにより、米国議会上院で1月から弾劾裁判が開かれる見通しです。
上院での弾劾裁判で、議員100人の3分の2以上がトランプ大統領が2020年の選挙を有利に進める目的でウクライナに圧力をかける外交を行った「権力乱用」と、議会によるウクライナ疑惑の調査への協力を拒否することで妨害した「議会妨害」のどちらかひとつ、または両方の条項に賛成して弾劾が決定された場合、大統領は罷免され、上訴することはできません。
しかし、上院の投票で弾劾の賛成票がどちらの条項でも3分の2に達しなかった場合は、大統領は無罪となり、そのまま留任することになります。上院は共和党が多数派であることからトランプ大統領が罷免される可能性は低いと見られています。
ニューヨーク・タイムズの記事などで詳細を確認できます。
アメリカで上院の弾劾裁判にかけられた大統領は、一人目はアンドリュー・ジョンソン第17代大統領(1868年)、二人目はビル・クリントン第42代大統領(1998年)で、どちらも上院で無罪となりました。また、リチャード・ニクソン大統領(1974年)は米国議会下院で訴追される直前に辞任しています。