国際教育研究所(Institute of International Education)が最近発表したデータによると、米国の大学に在籍する外国人留学生の総数(全在籍者数とOPTの合計)が、2020-21年度は15%減少して約91万4000人となり、2014-15年以来初めて100万人を下回りました。
2021年春にピュー研究所が先進国16カ国を対象に行った調査で、「中央値で59%の成人が、米国の大学は他の先進国の大学に比べて世界最高または平均以上であると評価し、アメリカの大学は世界的に高い評価を受けている」との結果が出ています。
それでも留学生数が減少したことについて、ピュー研究所は、2020-21年度の米国における留学生数の全体的な減少は、「海外から初めて留学する人が大幅に減少したことによるもので、多くの場合、パンデミックによる国境封鎖、フライトのキャンセル、その他の問題が原因となっている」と、新型コロナウイルスのパンデミックの影響の現れであると指摘しています。
国別の留学生数ランキングでは中国が最多で31万7299人と、アメリカの大学で学ぶ留学生の約3分の1を占めています。
- 中国 317,299
- インド 167,582
- 韓国 39,491
- カナダ 25,143
- サウジアラビア 21,933
- ベトナム 21,631
- 台湾 19,673
- ブラジル 14,000
- メキシコ 12,986
- ナイジェリア 12,860
日本からの留学生は1万1785人で11位。国際教育研究所のデータによると、1990年代から2000年代前半は年間4万人以上の日本人がアメリカに留学し、1999~2000年度に過去最高の4万6872人が留学しました。しかし、2004~05年度から減少が続いています。
国際教育研究所のデータを見ると、中国人留学生の数は1980年代後半に増加し始め、2000年代から2010年代前半にかけて大幅に増加した後、2010年代後半から増加速度が減速。2018-19年度に過去最多の37万2532人を記録した後、減少に転じました。
ピュー研究所は、中国からの留学生が減少している正確な理由は不明としながらも、緊迫した米中関係が米国の大学が中国から優秀な人材を集める力を損なわせているというコロンビア大学の学長をはじめとする一部の関係者の懸念や、トランプ政権下で実施された中国人留学生に対する規制、留学生についての世論調査を含む今年2月に実施した調査結果なども紹介しています。