国際教育研究所と米国国務省が14日に発表したデータによると、2021-22年度の新規留学生登録者数は前年度比で80%増加しています。
米国の留学生数は、2020~2021年度は前年度から15%も減少しましたが、今回の増加により、パンデミック前の水準に近づいてきていることがわかりました。
国際教育研究所(Institute of International Education)が発表したデータによると、米国の大学630校に在籍する2022年秋の留学生総数は9%増、新規留学生数は7%増となりました。これには、米国の大学のキャンパスで学んでいる留学生、オンラインで受講している留学生、専攻に関連する分野で一時的に仕事に就くことができるオプショナル・プラクティカル・トレーニング(OPT)で滞在している留学生が含まれます。
パンデミック中はハイブリッドやオンラインのオプションができましたが、2022年秋の時点で留学生の94%が米国の大学のキャンパスで学んでいます。
特に大きな増加が見られるのは大学院生ですが(18%)、4年制大学(2%)、OPT(6%)、学位取得は目的としていない短期交換留学や英語学習プログラムの留学生(4%)も、すべて増加しています。
留学生の新規登録者数が増加したと回答した教育機関は63%、前年と同じと回答した教育機関は12%、減少したと回答した教育機関は24%でした。
留学生の減少を経験している教育機関のうち87%が、米国留学に必要なビザ申請手続きの難しさ(73%)や米国の高等教育の費用(53%)など複数の要因が、新規入学者数の減少に影響していると指摘しています。
留学生の人数を増やすためのアウトリーチに前年度と同じかそれ以上の予算をかけている教育機関は多く、インド(58%)、ベトナム(44%)、ブラジル(35%)、中国(32%)、韓国(29%)、日本(27%)などが優先されると同時に、米国の高校に在籍する留学生へのアウトリーチも行っています。
アジアからの留学生は全体の69%を占めていますが、増加の割合ではインド(56%)、日本(52%)、ナイジェリア(46%)、バングラデシュ(46%)、韓国(46%)、イラン(42%)、ネパール(42%)、ベトナム(40%)、ブラジル(38%)が上位10位に入っています。
OpenDoors のデータによると、2021-2022年度に1万人以上の留学生を米国に送り出している国は次のとおりです。
- 中国 290,086(8.6%減)
- インド 199,182(18.9%増)
- 韓国 40,755(3.2%増)
- カナダ 27,013(7.4%増)
- 台湾 20,487(4.1%増)
- ベトナム 20,173(4.2%減)
- サウジアラビア 18,206(17%減)
- ブラジル 14,897(6.4%増)
- メキシコ 14,500(11.7%増)
- ナイジェリア 14,438(12.3%増)
- 日本 13,449(14.1%増)
- ネパール 11,799(5.6%増)
- バングラデシュ 10,597(23.2%増)
- UK 10,292(28.2%増)
日本からの留学生はパンデミックの影響で減少しましたが、2021-2022年度は14.1%増の1万3449人が留学しています。国際教育研究所によると、1990年代から2000年代前半は年間4万人以上の日本人がアメリカに留学しましたが、過去最高の4万6872人が留学した1999~2000年度の水準には戻っていません。