今年5月、シアトル港湾局はシアトル・タコマ国際空港の北サテライト看護室、メディテーションルーム、空港職員サービスセンターなどで展示する芸術作品を公募し、17点の作品を選出したことを発表しました。これらの作品はパシフィック・ノースウエスト在住のアーティスト15人によるもので、そのうち13人はワシントン州に在住しています。
シアトル港湾局によると、このプロジェクトの予算約76,000ドルは新型コロナウイルスのパンデミック発生前に承認されていたもので、パンデミックに関連した大規模な緊縮策の一環として、その資金を削減するのではなく、芸術家を支援するニーズと、芸術家が地域経済に貢献することを支援するニーズを認識したことで実現しました。
港湾委員会のピーター・スタインブルック委員長は、「昨年、COVID-19の前に、港湾委員会は港湾公共芸術プログラムの資金を1%に戻した」と述べています。「私たちのビジョンは、シアトル港を、高く評価される地域芸術センターとして、リーダーシップを取る地位に戻すことだ。しかし、COVID-19で芸術コミュニティは特に大きな打撃を受けており、映画館は閉鎖され、美術館も閉館した。私たちの施設では芸術コミュニティとパブリックアートを支援しなければならない」
また、今回選ばれた15人のうち7人は有色人種で、10人が女性であることから、所蔵作品にマイノリティのアーティストが占める割合が倍増しました。
その中には、シアトル在住の日本人作家・Naoko Morisawa さんによる作品『New Wave- Target Forever-』が含まれています。このコレクションに日本人作家の作品が選ばれるのは、シアトル在住の日系アメリカ人作家のノリエ・サトウさん(2006年)と、故・ポール・ホリウチさん(1965年)以来3人目で、2020年で14年ぶり。
その他に日本にゆかりのある作品では、シアトルの最初の姉妹都市・兵庫県神戸市から寄贈された Nukina Suo さんの作品(1851年)と Shoka Watanabe さん(18世紀)の2点が所蔵されています。
Morisawa さんの作品は、空港職員サービス・センターに展示される予定です。