シアトルやベルビューのあるキング郡のダウ・コンスタンティン行政長官は19日、サル痘(monkeypox)の公衆衛生上の緊急事態を宣言しました。
ワシントン州保健局によると、8月18日現在、キング郡では275例、ワシントン州全体では333例のサル痘の症例が確認されています。
CDC(疾病予防管理センター)によると、米国では14,000例以上のサル痘の症例が確認されており、2022年8月4日にサル痘緊急事態宣言が出されています。
「幸運なことに、ここキング郡には全米屈指の公衆衛生機関があり、本日の措置により、サル痘の問題に対処するために必要なすべての手段を確保することができる」と、コンスタンティン行政長官は述べています。
「私たちの地域の健康は最も重要であり、サル痘に迅速かつ軽快に対応することは、より多くの人々の安全を守ることにつながる」。
ワクチンの割り当ては連邦レベルで行われるため、キング郡による緊急事態宣言によってワクチンの配布が早まるわけではないものの、公衆衛生局は医療機関や地域のパートナーと協力し、より大量のワクチンが入手可能になったときにワクチンの配布をサポートできるようになります。
シアトル・キング郡公衆衛生局によると、キング郡で最初のサル痘の症例が確認された2022年5月23日以来、症例調査や疾病監視の実施、発生疫学の分析と報告、サル痘が疑われる患者のスクリーニングと検査の促進などを含む、サル痘のアウトブレイクへの対応が続けられています。また、対策班は、医療機関への抗ウイルス剤とワクチンの配布、ハーバービューにある公衆衛生のセクシャル・ヘルス・クリニックや地域の予防接種イベントを通じて、臨床サービスを直接提供することに取り組んでいます。
サル痘のウイルス(monkeypox virus: MPV)は、発疹などの症状を伴う病気を引き起こします。米国では一般的ではありませんが、現在、米国を含む複数の国で感染が広がっています。
サル痘は、性的指向やジェンダー・アイデンティティ(性自認)、年齢に関係なく、子どもから大人まで、あらゆる種類の密接な接触で人から人へ、誰でも感染する可能性があります。また、サル痘は、動物間や動物から人へも感染する可能性があります。
ワシントン州保健局によると、サル痘と診断された人、またはその可能性が高い人と密接な接触(close contact)をした場合、すぐにワクチン接種を受けることで感染を防ぐことができます。密接な接触とは、数時間一緒にいること、抱き合うこと、抱きしめること、キスすること、ベッドや衣類を共有することなどが含まれます。
サル痘の潜伏期は通常7~14日、最大5~21日です。
主な症状は発熱、頭痛、リンパ節腫脹、皮疹などですが、詳細はワシントン州保健局、CDC(疾病予防管理センター)、日本の厚生労働省などの公式サイトなどで確認できます。
サル痘のウイルスに暴露した、または感染したと考えられる場合、マスクを着用して自主隔離し、かかりつけ医や地域の医療機関に連絡して検査を受ける、ワクチン接種を受けるなどの対応をする必要があります。