スターバックス(本社:シアトル)は、ハワード・シュルツ氏が20日付で暫定CEOを退任し、ラクスマン・ナラシムハン氏がCEOに就任したと発表しました。
昨年9月の発表時には、ナラシムハン氏は2023年4月1日付でCEOに就任することが予定されていましたが、前倒しで就任した形となりました。
スターバックスによると、インド出身のナラシムハン氏はプネ大学工学部で機械工学の学士号を取得、ペンシルベニア大学のローダー研究所でドイツ語と国際研究の修士号、ウォートン校でファイナンスの経営学修士号を取得。19年間にわたりマッキンゼー・アンド・カンパニーに勤務した後、2012年から2019年までペプシコでさまざまな幹部職を務め、スターバックスに入社する前は英国を拠点とする清掃・健康用品の多国籍企業レキットベンキーザー社のCEOを務めていました。
ハワード・シュルツ氏は1987年にスターバックスを買収し、世界最大のコーヒーチェーンに成長させ、2000年までCEOを務めました。その後、一旦は退いたものの、成長の伸び悩みを受けて2008年にCEOに復帰。2017年に会長に退きましたが、ケビン・ジョンソン氏の社長退任後、2022年3月に3度目の復帰をし、暫定CEOを務めていました。
シアトル・タイムズによると、スターバックスは1月1日に終了した2023会計年度の第1四半期に記録的な売上高を計上したものの、インフレと世界情勢、特に中国の影響を受けた結果、アナリストの予想を下回りました。また、2021年11月以降、組合設立運動が高まり、現時点で少なくとも285店舗が組合結成に成功しています。シュルツ氏は、スターバックスの労働法違反の疑いに関しては3月29日に上院委員会の公聴会で証言することが予定されています。