シアトル・マリナーズは22日、スコット・サービス監督(57)を解任したと発表しました。後任には球団殿堂入りしている元捕手ダン・ウィルソン(55)が就任します。
球団21代目の監督となるウィルソンは、23日に本拠地 T-Mobile Park で行われるサンフランシスコ・ジャイアンツ戦で初めて指揮を取ることになります。
2012年に球団殿堂入りを果たしたウィルソンは、現役を引退してからも球団内でさまざまな役割を担っており、今年でベースボールオペレーションズ部門フィールド業務は11年目、選手育成の特別補佐としては7年目になります。また、マリナーズのマイナーリーグのさまざまなチームで監督代行を務めることもあったほか、2014年~2015年にはキャッチング・コーディネーター、2016年と2017年にはディフェンシブ・コーディネーターを務めました。選手やチームによるコミュニティへの奉仕活動を推進し、2011年からマリナーズの試合でテレビ解説者も務めています。
ウィルソンは、1992年にシンシナティ・レッズに入団してメジャーデビュー。1994年にシアトル・マリナーズに移籍し、2005まで計14年間にわたりプレーしました。マリナーズ史上、捕手としての最多出場記録保持者であり(1237試合)、試合出場数(1251試合)、ヒット数(1071本)、長打数(308本)、総塁打数(1568塁打)、二塁打数(207本)、打点(508打点)、打数(4085打席)、得点(433得点)といった多くの攻撃部門でマリナーズの歴代トップ10にランクインしています。引退時には、キャッチャーとしてのキャリア守備率でアメリカンリーグ記録を保持していました。1996年にはアメリカンリーグのオールスター選手に選ばれ、1995年、1997年、2000年、2001年にはマリナーズのポストシーズンチームの一員として活躍しました。
マリナーズの監督として9年目を迎えていたサービスが負け越したのは3シーズンのみで、680勝642敗(勝率.514)と、ルー・ピネラ(840勝711敗、勝率.542)に次いで、フランチャイズ史上2番目に多くの勝利を挙げました。また、2022年には21年ぶりのポストシーズン進出を果たし、アメリカンリーグ西地区2位でワイルドカード2位を獲得しました(ディビジョンシリーズでヒューストン・アストロズに敗退)。昨年は惜しくもプレーオフ進出を逃し、今年は6月半ばまでアメリカンリーグ西地区首位を独走していたものの、6月下旬から失速。8月22日時点で西地区首位アストロズに5.5ゲーム差、ワイルドカード圏内からは7.5ゲーム差をつけられており、プレーオフ進出を実現するには怒涛の追い上げが必要な状況です。
また、サービス監督の解任とともに、ジャレッド・デハート打撃コーチの解任も発表されました。23日になって、新監督のダン・ウィルソンは、メジャーリーグの殿堂入り指名打者エドガー・マルティネス(61)が2024年シーズンの残り期間、マリナーズのメジャーリーグ打撃コーチを務めることを発表しました。マルティネスは1987年にマリナーズでメジャーデビューし、2004年に引退するまでマリナーズのみでプレーした選手。以降、春季トレーニング中のゲスト打撃インストラクターや特別補佐を務めたほか、2015年から2018年まで打撃コーチ、過去6シーズンにわたり打撃アドバイザーを務めていました。