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オバマ元大統領の「今年の映画」 歴史映画『オッペンハイマー』、是枝裕和監督の『怪物』など14作品

オバマ元大統領が年末恒例の「今年のおすすめ本・映画・音楽」を X(元ツイッター)で発表しました。在職時からの恒例行事で、このおすすめを参考にする人も多いでしょう。今年選ばれた映画の中には、日本国内外で高く評価され、今月アメリカでも劇場公開が始まった是枝裕和監督の『怪物(Monster)』も含まれています。

今年の心に残った作品は14本

オバマ元米大統領は「今年早々、脚本家や俳優たちは、より良い労働条件と保護のためにストライキを行った。それにより、業界をより良く変革する重要な変化がもたらされた」と、映画界に大きな影響を与えたストライキについて触れ、妻のミシェル夫人と立ち上げた制作会社 Higher Ground がプロデュースし Netflix で公開した『Rustin(邦題:ラスティン : ワシントンの『あの日』を作った男)』『American Symphony(邦題:アメリカン・シンフォニー)』『Leave the World Behind(終わらない週末)』を、おすすめのトップ3に挙げました。

「Rustin、American Symphony、Leave the World Behind など、昨年彼らの努力を反映した映画がいくつかある。私たちは Higher Ground を通じてリリースすることを誇りに思う」

「バイアスはかかっているが、実際に今年観た映画のベスト3だ」

その他におすすめとして選ばれたのはこちら:

その後、オバマ元大統領は「観たばかりの『The Color Purple』も気に入った」とコメントして、今年のお気に入りに追加しています。

『Leave the World Behind』は賛否両論?

今回選ばれた作品の中で、『Leave the World Behind(終わらない週末)』は、バングラデシュ系アメリカ人作家ルマーン・アラムが2020年に発表した同名小説を、『Mr. Robot』のクリエイター、サム・エスメイルが監督・脚本・製作を務めて映画化したものですが、世界の終わりを描いた作品をオバマ元大統領夫妻がプロデュースしたという事実が、陰謀論を助長し、人々を不安にさせているらしいのです。実際、”obama, leave the world behind movie” などで検索してみると、そのような内容の記事が見つかります。

そこで、CinemaBlend は、「この黙示録的な映画が、世界の終わりがどのように起こるかについての、アメリカの第44代大統領からの隠されたサインのようなものだと不安を感じているなら、サム・エスメイル監督に安心させてもらいましょう」と、エスメイル監督がColliderに語ったコメントを紹介しています。

「…この本は彼の読書リストに入っていて、お気に入りのひとつだ。彼は本当にこの本と、不信というテーマ、そして私たちを結びつけるコミュニティや絆がなければ何が起こりうるかという教訓の物語を、正しく表現したかったのだ。だから彼は、登場人物、共感、そして災害の要素に関して本当に注意をしてくれた。本当にあらゆる面においてだ。すべては良い映画にするための追求だった。それが彼の主眼だった」

The Root の記事などを読むと、この作品のあちこちに挿入された黒人の歴史を知ることができるので、映画を観る前や観た後に読めば、もやもや感が減るかもしれません。

オバマ元大統領は2021年の「今年のおすすめ本」に同作品を選び、「『Leave the World Behind』は、迫り来る災害の中で出会った黒人と白人の2組の家族の物語である。この小説は、人種、階級、家族のダイナミクスを探求している」と評していました。

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