2024年10月4日、シアトルのパイク・プレース・マーケットとウォーターフロントをシームレスに結ぶ、待望の遊歩道「オーバールック・ウォーク」(Overlook Walk)が、ついにオープンしました。
「オーバールック・ウォーク」が完成したのは2019年までアラスカン・ウェイ高架橋があった場所で、マーケットとウォーターフロントを簡単に行き来できるようになったことで、ダウンタウンやウォーターフロントの再活性化を目指すシアトル市の取り組みにおける大きな節目となります。
シアトルのブルース・ハレル市長は数十人の要人と共に行ったテープカットの祝賀式典で、「率直に言って、これは粘り強さ、献身、思慮深さ、そして先見性、シアトルが誇る最高のものの結果だ」「さらに重要なのは、私たちがこの街の雰囲気、リズム、魂をどのように変えているかということ」「1962年の世界万博以来、シアトルで最大のインフラプロジェクトだ」と述べ、オーバールック・ウォークの完成を祝いました。
オーバールック・ウォークの見どころ
オーバールック・ウォークは、パイク・プレース・マーケットのマーケット・フロント(スターバックス1号店のあるあたりの海側にあります)やウエスタン・アベニューと、今年8月にウォーターフロントにオープンしたシアトル水族館の新館オーシャン・パビリオンの外を結ぶ遊歩道です。
マーケット・フロント側からアクセスすると、エリオット湾が目の前に広がります。その景色を眺めながら、スロープまたは階段でオーバールック・ウォークを下ることができます。
シアトル水族館の新館オーシャン・パビリオンの上は公園になっており、シアトルのダウンタウン、ルーメン・フィールド、T-Mobile Park、エリオット湾、オリンピック山脈、そしてワシントン州最高峰のマウント・レーニアを360度の景観で楽しめます。
遊歩道沿いやオープンスペースの公園には在来植物が植えられ、憩いの場という雰囲気。景色を楽しみながら休めるベンチやスペースがたくさんあり、子ども向けの小さな滑り台があるほか、来年には軽食などを販売する新しい売店スペースもあります。
この公園からウォーターフロントにアクセスするのは階段またはエレベーターとなります。屋外円形劇場のような座席があり、その横からウォーターフロントまで降りていくことができます。ウォーターフロントに降りると、水族館などのアトラクション、大型クルーズ船のターミナルまで歩いてすぐなので、便利になりました。
すでにこのオーバールック・ウォークをジョギングコースにしている人たちも見られました。天気のいい日は、オーバールック・ウォークの公園から景色を楽しんだり、あちこちにあるベンチでピクニックや読書をしたり、海に沈む夕陽を眺めたりと、思い思いに楽しめそうです。
再建されたピア58を含むウォーターフロントパークの残りの部分は、来年までに完成する見込み。
ウォーターフロントの再開発
約60年にわたりダウンタウンとウォーターフロントを分断していたアラスカン・ウェイ高架橋が完全に撤去されたのは2019年11月。そして、ウォーターフロントに8億ドル以上を投資してウォーターフロント・パークとして再開発するプロジェクトが始動しました。
以来、ウォーターフロントは新しい道路や緑地の設置、ピア62の公園やピア52のワシントン州フェリーのターミナルの再建、シアトル水族館の新館オーシャン・パビリオンの完成など、劇的な変化を遂げてきました。今回完成したオーバールック・ウォークには、約7000万ドルが投資されています。