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人間の遺体を堆肥化する施設 2021年春にシアトルでオープンを予定

人間の遺体を堆肥化するサービスを提供するシアトルの公益法人 Recompose が、最初の施設を2021年春にシアトルのソードー地区にオープンすると発表しました。

Recompose 社の施設予想図
Image by Olson Kundig

オープンが決定した施設は1960年代に建てられた18,000平方フィート(約1672平方メートル)の倉庫で、世界的に有名なシアトルの建築事務所 Olson Kundig が建築デザインを手がけることが決定しています。

Recompose 社の施設予想図
Image by Olson Kundig

人間の遺体を堆肥化する natural organic reduction(自然有機還元)の処理ができるのは許可を得た施設のみで、施設内では個別の容器に遺体を藁や木片などと一緒に入れ、微生物活動の効果で、3週間から7週間で土に変質することができるとされています。

Recompose によると、この方法では炭素を隔離することができるため、土壌を改善できます。また、火葬1件当たりに使用するエネルギーを8分の1に抑え、CO2の排出量も1人あたり1トン削減できるとされています。

Recompose 社の施設予想図
Image by Olson Kundig

堆肥化が行われている間、遺族は施設を訪れることができるほか、最終的に故人の遺体が分解されてできた土を受け取ることができ、その土の利用方法をそれぞれ決定することができます。一人の遺体からできる土は1立方ヤード(0.76立方メートル)とのことです。

なお、クロイツフェルト・ヤコブ病などのプリオン病や、エボラのような伝染性の高い病気で死亡した人は、堆肥化を選択することはできません。

ワシントン州ではこれまで土葬(burial)と火葬(cremation)の二通りの選択肢がありましたが、最近では防腐剤(embalming)や棺(casket)、墓石(headstone)を使用せずに遺体を埋葬する「グリーンな墓地」(green burial cemetery)があります。

通常、ワシントン州のグリーンな墓地での埋葬費用は6,000ドル。土葬は8,000ドル以上、火葬は1,000ドルから7,000ドル。堆肥化の場合は5,500ドルと想定されています。

2019年5月にワシントン州のジェイ・インズリー知事が署名した、人間の遺体を堆肥化することを認める全米初の法律では人間の遺体の堆肥化(natural organic reduction)と、アルカリ加水分解(alkaline hydrolysis)による液化処理の二通りの方法が認められています。この法律は2020年5月1日に施行されます。

なお、Recompose のサービスへの申し込みは現時点ではまだ受け付けられておらず、最新情報をニュースレターで受け取ることが勧められています。自分の死後の遺体の処理に関しての指示は合法的に施行できる形で伝えておく必要があります。

サービスを申し込んだ場合、ワシントン州外やアメリカ国外からも遺体を輸送できるようになるそう。遺体の輸送に関しては、それぞれの地域での法律の確認が必要です。



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