ロイターの「世界の革新的な大学ランキング」で、アメリカから最多の46校がランク入りしました。
2019年で5回目となったこのランキングは、科学の発展、新技術の開発、グローバル・エコノミーの推進に尽力している大学をランク付けするもの。特許出願件数、論文での被引用回数、出版物にもとづいて評価されます。
上位100以内に入った大学の数の国別ランキングは次のとおり。
1位 アメリカ(46校)
2位 ドイツ(9校)
3位 フランス(8校)
4位 日本、韓国、イギリス(6校)
7位 中国(4校)
8位 オランダ、スイス(3校)
10位 ベルギー、カナダ、イスラエル、シンガポール(2校)
14位 デンマーク(1校)
ロイターは、国別の結果でフランスと日本を比較し、フランスは小規模の教育機関を統合して高等教育の構造を大幅再編したことが効果を発揮していると評価しましたが、日本は大学がグローバルランキングから後退し続けていること、2019年は3校が上位100位から順位を落としたこと、かつてはアジア太平洋地域におけるリサーチ大国だったが、「政府の補助金に大きく依存していることから、数十年におよぶ物価水準の下落と経済停滞により資金源が不足し、イノベーションが減っている」と分析しています。
上位20位の大学は次のとおり。
1位 スタンフォード大学(アメリカ) ※5年連続1位
2位 マサチューセッツ工科大学(アメリカ) ※5年連続2位
3位 ハーバード大学(アメリカ) ※5年連続3位
4位 ペンシルバニア大学(アメリカ) ※昨年と同位
5位 ワシントン大学(アメリカ)
6位 ノースカロライナ大学チャペルヒル校(アメリカ)
7位 ルーヴァン・カトリック大学(ベルギー)
8位 サザンカリフォルニア大学 (アメリカ)
9位 コーネル大学(アメリカ)
10位 インペリアル・カレッジ・ロンドン(イギリス)
11位 テキサス大学(アメリカ)
12位 浦項工科大学校(韓国)
13位 カリフォルニア大学(アメリカ)
14位 フリードリヒ・アレクサンダー大学エアランゲン=ニュルンベルク(ドイツ)
15位 ジョンズ・ホプキンズ大学(アメリカ)
16位 カリフォルニア工科大学(アメリカ)
17位 スイス連邦工科大学ローザンヌ校(スイス)
18位 ケンブリッジ大学(イギリス)
19位 ヴァンダービルト大学(アメリカ)
20位 イェール大学(アメリカ)
ワシントン州からはワシントン大学(University of Washington)が昨年から引き続き世界5位に選ばれました。このランキングに含まれる公立の大学では最も順位が高いことになります。1861年に設立されたワシントン大学は、シアトル市内に広いキャンパスを持つ都市型の大学で、薬学・工学・コンピュータ科学などの大学院プログラムは特に高く評価されています。
アジアのトップは12位に入った韓国の浦項工科大学校(Pohang University of Science & Technology)。
日本の大学では、26位に東京大学(20位から後退)、35位に大阪大学(22位から後退)、43位に京都大学(26位から後退)、57位に九州大学(46位から後退)、61位に東北大学(36位から後退)、74位に東京工科大学(47位から後退)が100以内に入りました。昨年100位内に入っていた慶応大学(昨年74位)、北海道大学(昨年90位)、名古屋大学(昨年99位)は圏外となっています。