シアトル美術館(SAM)の日本・韓国美術キュレーターに、ニューヨークのメトロポリタン美術館のアジア美術のアソシエート・キュレーターを務めていたアーロン・リオ博士が就任しました。
「私たちは、日本と韓国の美術におけるトップクラスのキュレーターをシアトル美術館(SAM)に迎えることを光栄に思い、とても期待しています」と、副館長のホセ・カルロス・ディアス氏はニュースリリースで述べています。「彼が就任することでシアトル美術館が大きく強化され、所蔵作品や展示に対する深い洞察と新たな関心がもたらされることは確かです。SAMの東アジア美術分野が非常にダイナミックな時期にあり、美術作品に関する対話や展示の機会がこれまでになく豊富になっています」
リオ氏はコロンビア大学で美術史の修士号(MA)、哲学修士号(MPhil)、および博士号(PhD)を取得し、東京大学東洋文化研究所と学習院大学の客員研究員として、中世日本の禅の水墨画に関する博士論文の研究とフィールドワークを行い、メトロポリタン美術館のフェローとしても活動していました。美術史の博士課程を始めるまで、日本の奈良で教師として勤務した経験もあります。
また、2015年から2019年までミネアポリス美術館で日本・韓国美術のアシスタントキュレーターとアソシエイトキュレーター、2019年からニューヨークのメトロポリタン美術館のアジア美術のアソシエート・キュレーターを歴任。これまでに、近代の水墨画、現代陶芸、仏教美術などをテーマに展覧会を企画してきました。また、彼の出版物や現在進行中の研究は、中世日本の禅の水墨画に焦点を当てています。
シアトル美術館によると、リオ氏は組織全体に関わりますが、主にシアトル・アジア美術館に焦点を当てることになります。シアトル・アジア美術館のアジア美術のコレクションはアジア以外でトップ10にランクインしており、その日本美術のコレクションはアメリカでも最も重要なものの一つとなっています。
「SAMのチームに加わることができ、身が引き締まる思いとともに大変光栄に感じています』と、リオ氏はニュースリリースで述べています。「この美術館には独特の可能性があり、3つの異なる場所(シアトル美術館、シアトル・アジア美術館、オリンピック彫刻公園)でのダイナミックな展覧会プログラム、アジアおよびアジア系アメリカ人アーティストの作品を長年にわたって紹介してきた姿勢、そしてシアトル、太平洋岸北西部、アジア太平洋地域における重要な役割に心から感銘を受けています」